[シドニー 1日 ロイター] - 豪銀大手ウエストパック銀行が1日発表した2021年度(21年9月終了)決算は、利益が前年の2倍強に増えた。新型コロナウイルスに対応して計上した貸倒引当金を戻し入れたことが寄与した。
キャッシュ利益は53億5000万豪ドルと、前年の実績である26億1000万豪ドルを上回った。ただ、リフィニティブがまとめた市場予想の55億豪ドルは若干下回った。
同行は自社株買いと配当によって計42億豪ドル(31億6000万米ドル)を株主に還元する計画を発表。ただ、予想を下回る業績やコスト水準、利ざや縮小が嫌気され、株価は序盤に6%超急落した。
豪景気の回復と住宅価格高騰を背景に、住宅ローン貸出は4%増加。一方、預貸の利ざやを示す純金利マージンは下半期に10ベーシスポイント(bp)縮小し、1.99%となった。通年では4bp縮小の2.04%。
下期は全ての部門が減益となった。通年の特別項目を除くコア利益は13%減だった。同社は先に、13億豪ドルの一時費用を計上すると発表している。
ピーター・キング最高経営責任者(CEO)は同社が目指している高収益企業になるには、さらなる取り組みが必要だと認識しているとコメントした。
同社は22年も住宅需要は強いままで、信用供与の伸びは10年余りぶりの高水準である6.8%になると予想。キングCEOは、住宅価格の伸びは8%程度に鈍るとの見通しを示した。豪規制当局による住宅ローンの制限強化を理由に挙げた。
自社株買いは35億豪ドル相当を市場外で行う計画。