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大企業の景況感、先行きは悪化予想 原材料高が重し=日銀短観

発行済 2021-12-13 09:20
更新済 2021-12-13 11:27
© Reuters. 日銀が13日発表した12月短観によると、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス18、非製造業がプラス9となった。製造業DIは前回9月調査から変わらず。非製造業は6期

[東京 13日 ロイター] - 日銀が13日発表した12月短観によると、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス18、非製造業がプラス9となった。製造業DIは前回9月調査から変わらず、非製造業は6期連続で改善したが、先行きはいずれも現状より悪化を見込む。原材料価格の高騰が幅広い業種で重しとなっている。

<対個人サービス、過去最大の改善幅>

大企業・製造業の業況判断DIはロイターがまとめた予測中央値(プラス19)を下回った。感染症の影響の緩和による改善と、原料コストの増加や自動車関連の減産という悪化要因が拮抗した。

部品の供給制約による減産で「自動車」は前回のマイナス7からマイナス8に小幅悪化。「非鉄金属」はプラス21で前回から12ポイント悪化して、悪化幅は製造業で最も大きかった。半面で、「生産用機械」、「業務用機械」、「電気機械」は前回より改善。堅調なIT関連需要が追い風となった。

大企業・非製造業の業況判断DIは2019年12月以来の高い水準。ロイターがまとめた予測中央値(プラス6)を上回った。緊急事態宣言の解除で感染症の影響が緩和し、幅広い業種で改善した。

「対個人サービス」はマイナス9。前回から36ポイント改善して、04年3月の調査開始以来最大の改善幅となった。「宿泊・飲食サービス」もマイナス50と24ポイントの改善となり、04年6月以来の大幅改善となった。

21年度の設備投資計画では、大企業・全産業が前年度比9.3%増と、ロイターがまとめた市場予想の9.8%増を下回った。中小企業・非製造業の設備投資計画も9月調査から下方修正されるなど「アフターコロナ」に向けて設備投資を増やす雰囲気は出ていない。

<販売価格高水準も、原材料高に懸念>

販売価格判断は大企業の製造業、非製造業で高水準となった。製造業はプラス16で1980年8月以来、非製造業もプラス10で08年6月以来の高水準を記録した。

しかし、原材料価格の高騰が足元のみならず先行き判断にも重しとなった。先行き判断DIは、製造業がプラス13、非製造業がプラス8でともに現状より悪化を見込む。仕入れ価格判断は、大企業の製造業でプラス49となり08年9月以来の高水準となったほか、非製造業はプラス25で14年3月以来の高い水準。

非製造業の先行きについて、大和証券の末広徹シニアエコノミストは「GOTOキャンペーンなどの実施が見込まれるわりに先行きは弱い」と指摘した。

円安推移を反映し、全規模・全産業の事業計画の前提となっている想定為替レートは円安方向にシフトした。21年度のドル/円は109.09円(前回は107.64円)、ユーロ/円は127.71円(同126.50円)となった。

企業の物価見通しでは1年後にプラス1.1%と、15年9月以来の高い伸びとなった。

<企業の資金繰り>

日銀は16―17日の金融政策決定会合で民間部門の資金繰り支援策である新型コロナ対応特別プログラムの延長の是非を議論する見通し。企業の資金繰り判断は、大企業はプラス16で前回と変わらず、中堅企業はプラス14で前回のプラス13から1ポイント改善した。中小企業は前回のプラス9から1ポイント悪化してプラス8となったものの、プラス圏を維持した。

CPの発行環境判断はプラス27。20年3月以来の高水準となった前回のプラス28から1ポイント低下したが「引き続き高水準になっている」(日銀調査統計局の中村慎也経済統計課長)。

今回の短観の調査期間は11月10日から12月10日。回答基準日は11月29日。回答基準日までで8割弱が回答したことから、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の影響は「十分に評価されていない」(中村課長)という。

(和田崇彦、杉山健太郎 編集:石田仁志)

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