[チューリヒ 26日 ロイター] - スイスの銀行大手UBSが26日発表した第2・四半期決算は5%の増益だったが、予想を下回った。投資銀行部門の収入が14%減少した。
ウエルスマネジメント部門も減収となった。厳しい市場環境が背景。
純利益は21億0800万ドル。前年同期は20億0060万ドルだった。同行がまとめた市場予想は19.8%増の24億0300万ドル。
ラルフ・ハマーズ最高経営責任者(CEO)は「投資家にとって今年第2・四半期は過去10年で最も厳しい時期の一つだった」と表明。下半期の事業環境は「依然として不透明」だと述べた。
日本の不動産合弁事業の売却で8億ドル以上の一時利益を計上した。
UBSの株価は序盤の取引で5%安。年初からは6.6%下落している。
ZKBのアナリスト、マイケル・クライン氏はリポートで、戦争やエネルギー価格高、新型コロナウイルスの流行に関連した金融市場の不確実性が、第3・四半期に顧客の活動に影響を与える可能性があるとの見方を示した。
投資銀行部門の収入は14%減の21億ドル。市場予想は23億ドルだった。
助言部門の収入は30%、資本市場部門は71%それぞれ減少した。新規株式公開(IPO)関連業務が低調だったことが一因と説明した。
主力のウエルスマネジメント部門の収入は47億ドル。前年同期は48億ドル、市場予想も48億ドルだった。
主に取引手数料収入の減少が響いたとし、特に米州とアジアで顧客が様子見姿勢だったと指摘した。資産運用の流出額は120億ドルで株式が中心だった。
UBSは予定していた自社株買いを数カ月以内に行う方針を示した。
ジェフリーズのアナリストはリポートで「ほぼ全ての部門が不振」となった結果に驚いているとコメントした。