[ワシントン 27日 ロイター] - 米商務省が27日公表した6月の財(モノ)の貿易収支は赤字額が前月比5.6%減の982億ドルとなった。輸出の急増を背景に大幅に縮小した。2022年第2・四半期に経済が再び縮小するとの懸念が和らぐ可能性がある。
財の輸出は44億ドル増の1815億ドル。食料と工業製品の輸出が大きく伸びた一方、資本財、消費財、自動車・部品の輸出が減少した。
財の輸入は15億ドル減の2797億ドル。自動車と食料の輸入が減少した一方で、消費財と資本財の輸入が大幅に増加した。
貿易赤字の縮小による国内総生産(GDP)への寄与が在庫の押し下げの影響を相殺すると予想される。第2・四半期に個人消費が減速したため、第1・四半期と同じ力強いペースでは企業が在庫を積み増さなかったとみられている。
JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「第2・四半期は、貿易赤字の縮小でGDPの伸びが従来予想以上に支援されたと考えている」とし、「在庫による押し下げ効果も従来の予想より小さくなるとみている」と述べた。
ロイターのエコノミスト調査によると、28日に政府が発表する第2・四半期のGDP速報値は年率換算で前期比0.5%増のわずかな回復にとどまると予想されている。第1・四半期は1.6%のマイナス成長だった。経済がほとんど成長していないということは、景気後退が迫っているという懸念を高める。特に金利の影響を受けやすい住宅産業と製造業がここ数カ月で大きく冷え込んでいる。
同じく27日に商務省が発表した6月の卸売在庫は1.9%増。小売在庫は2.0%増だった。