[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した7月の国内総生産(GDP)は前月比0.2%増加で、エコノミストの予想(0.4%増)を下回った。電力生産が減少し、エネルギー料金の上昇が影響した可能性がある。また建設部門も物価高で低迷した。
5─7月のGDPは前期比横ばい。
ONSは発電減少について「価格上昇を受けた需要の減少、消費者行動の変化の兆しかもしれない」と述べた。
7月の電力料金は前年比54%上昇した。先週就任したトラス新首相は早速、エネルギー価格高対策を打ち出した。
PwCのエコノミスト、ジェイク・フィニー氏は、前期比0.1%減だった第2・四半期に続き、第3・四半期もGDPが縮小し、2四半期連続のマイナス成長、つまり景気後退に入ると予想した。
6月のGDPは故エリザベス女王の即位70周年を祝う記念行事「プラチナ・ジュビリー」でバンクホリデーが増えた影響で前月比0.6%減だったが、7月は休日の影響はさほどないとONSは説明した。
パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トムズ氏は、女王国葬の19日がバンクホリデーに設定されたことが、9月のGDPを0.2%ポイント下押しするものの、リセッションは辛うじて回避するとみている。
イングランド銀行(英中央銀行)は先月、エネルギー価格高騰の影響で年末にリセッション(景気後退)入りし5四半期続くとの予想を示した。
22日の金融政策委員会は追加利上げが予想されている。
7月の鉱工業生産指数は予想に反して前月比0.3%低下し、前年比では予想を下回る1.1%上昇にとどまった。エコノミストの予想は前月比0.4%上昇、前年比1.9%上昇だった。
建設部門の生産は前月比0.8%減少。原材料価格の高騰、猛暑で作業時間が減ったことが影響した。サービス部門は0.4%増加した。
7月の貿易収支は193億6200万ポンドの赤字。非EU諸国との貿易赤字は101億9400万ポンド。燃料輸入が110億ポンド、総輸入に占める割合も21%とどちらも過去最高を記録した。