[ロンドン 27日 ロイター] - 国際決済銀行(BIS)が27日発表した世界店頭(OTC)金利デリバティブ市場報告書によると、1日当たりの取引高は今年4月が5兆2000億ドルに減少した。前回調査した2019年4月では6兆4000億ドルだった。英国の欧州連合(EU)離脱と、ロンドン銀行間金利(LIBOR)の終焉で、この市場の姿が変わったとしている。
LIBORから中銀のまとめる指標金利への取引移行に伴い、ドルの先渡し金利取引(FRA)取引高は98%減少した。
地域別では英国が最多の2兆6000億ドルで、ネットグロスベースでなお世界の46%を占めたが、19年の51%からは低下した。報告書は、ドルのスワップ取引の一部が英国から米国やアジアの金融センターに移ったと指摘。ユーロのスワップ取引も英国からユーロ圏にシフトしたとした。
今年4月の1日当たりのユーロでの取引は1兆8000億ドルで、世界シェアは19年の25%から34%に拡大。ただ、英国でのユーロ金利スワップ取引は1兆ドルで、この3年で18%減った半面、ドイツやフランスを中心とするユーロ圏では取引は3倍以上になった。
ユーロ圏でのFRAを除くユーロ建て取引は今年4月は世界の4分の1超に増え、10年以降で最大になった。