[ワシントン 23日 ロイター] - 米通商代表部(USTR)のタイ代表は23日、メキシコ当局者との会談で同国の農業分野におけるバイオテクノロジー政策に「重大な懸念」を伝えたと明らかにした。
メキシコによる米国からの遺伝子組み換えトウモロコシの輸入制限を巡り、両国の対立は深まっている。メキシコのロペスオブラドール大統領は2020年、健康への懸念を理由に遺伝子組み換えトウモロコシや農薬を使ったトウモロコシの輸入を24年までに段階的に制限する考えを示した。
米当局者はこの問題を協議するためメキシコを訪問。タイ代表は声明で「この問題が解決されなければ、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に基づく権利を行使するための正式な措置を含め、全ての選択肢を検討する」と述べた。
「メキシコが示している方針は科学に基づいておらず、数十億規模の二国間農産物取引を混乱させ、米国の農家とメキシコの家畜生産者に深刻な経済的打撃を及ぼし、生産者の気候・食糧問題への対応を後押しする重要なイノベーションを制限する」と指摘した。
メキシコは米産トウモロコシの主要輸入国で、毎年約1700万トンがメキシコに出荷されるが、その大半が遺伝子組み換えトウモロコシで飼料用に使われている。メキシコは飼料用の遺伝子組み換えトウモロコシの輸入を継続するとしている。