[ニューヨーク 13日 ロイター] - 米国の投資信託のうち、モルガン・スタンレーとフィデリティ、ブラックロックが運用しているミューチュアルファンドが、経営破綻したシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の株式保有比率が比較的高いことが、モーニングスターのデータで明らかになった。
モルガン・スタンレー・インスティチューショナル・グローバル・コンセントレーテッド・ポートフォリオ・クラスR6(規模は1億0200万ドル)は、昨年12月末時点で資産の4.1%をSVB株に振り向けていた。
ブラックロック・フューチャー・ファイナンシャル・アンド・テックETF(390万ドル)は同じく12月末の段階で、資産の3%がシグネチャー銀株、1.7%がSVB株だった。
一方、フィデリティ・ディスラプティブ・ファイナンス・ファンド(4700万ドル)は12月末の資産に占めるシグネチャー銀株が4.2%、SVB株は2・3%。
データ分析会社ベッタファイの調査責任者トッド・ローゼンブルース氏は、いずれもこれらのポジションだけで運用成績全体にひどい痛手を被るわけではないが、地銀株の売りがさらに広がれば重圧が増す恐れがあると警告した。
ローゼンブルース氏によると、本来ミューチュアルファンドの投資家は分散投資の恩恵に浴するが、金融株全般、特に地銀株が先行き不透明感や信用不安波及リスク懸念などから打撃を受けているだけに、分散投資の中身が問題になってくるという。