[ロンドン 4日 ロイター] - 欧州連合(EU)の銀行監督当局統括機関である欧州銀行監督機構(EBA)のホセ・マヌエル・カンパ議長はロイターに対し、最近の業界混乱を受け、域内の銀行は配当やその他株主還元に「保守的」でなければならず、キャッシュバッファーを積み上げ続けることに注力すべきと述べた。
銀行は強力な資本と流動性バッファーを有しており、主要な収益性指標は10年ぶりの高水準にあると指摘。ただ、金利の急上昇が最終的に経済や銀行の顧客にどのような影響を与えるかは分からないとし、「確実に出てくるその影響については今後も注視していく」と語った。
EBAは域内の銀行に対する定期的なストレステスト(健全性審査)を調整しており、最新結果は夏に発表される。カンパ氏は「各行が十分な、いわゆる質の高い流動性資産を保持していることを確認する必要がある」と述べた。
また、最近の銀行混乱が銀行規則見直しの必要性を示しているという証拠はないと指摘。「この2週間で分かったことは、この規則はむしろ役に立っているということだ」と述べた。
EUは破綻した大手銀行の閉鎖に向けた枠組みを更新し、中堅銀行も含める予定だ。カンパ氏は「それはいいことだと思う」と歓迎した。