[シドニー 13日 ロイター] - 豪連邦統計局が13日発表した3月の雇用統計は、就業者数が2カ月連続で予想を上回った。失業率も50年ぶり低水準近辺となった。明らかに強い内容で、オーストラリア準備銀行(中央銀行)の引き締めサイクルがまだ終わっていない可能性を示した。
就業者数は前月比5万3000人増加、市場予想は2万人増だった。
失業率は横ばいの3.5%。アナリスト予想は3.6%だった。
労働時間は0.2%減少したが、前月には3.8%大幅増加していた。
フルタイム雇用は7万2200人増。前月も7万4900人の大幅増だった。家計所得に心強い兆しが出ている。
労働参加率は66.7%と過去最高付近。労働の供給が需要に応じて増加していることが浮き彫りとなった。女性と移民が労働市場に参入しており、賃金の上昇圧力を和らげている。
豪ドル/米ドルは0.3%上昇し、0.6713米ドルを付けた。3年債先物価格は7ティック安の97.06。市場が織り込む5月の25ベーシスポイント(bp)利上げ確率は17%にやや上昇した。
BISオックスフォード・エコノミクスのマクロ経済予測責任者、ショーン・ラングケーキ氏は「今回のデータには弱さの兆候がほとんどなく、労働市場の重大な緩みを示唆するものがほぼない」と指摘。
「第1・四半期消費者物価指数(CPI)が強い数値になるという当社予想を裏付ける内容だ。中銀は5月に再び利上げする見込みだ」と述べた。
中銀は4月の会合で、これまでの利上げの効果を見極めるため、政策金利を据え置いた。
ロウ総裁は、金利据え置き決定は利上げ終了を示唆するものではないとし、月次データに基づき追加利上げの必要性を判断するとしている。