[北京 11日 ロイター] - 中国税関総署は今年3月の輸出額を105億5000万ドル下方修正し、前年同月比の伸び率を14.8%から11.4%に引き下げた。ロイターが11日に税関のウェブサイトで確認した。エコノミストは予想外に大幅な修正だとしており、今年初めの貿易が当初の見解より弱かった可能性がある。
当初発表された3月の貿易統計は予想より好調だったが、輸出はその後失速し、5月以降は減少している。3月の数字の強さに疑問を投げかけていたエコノミストらは、年内に輸出が大きく回復するとは予想していない。
エコノミスト・インテリジェンス・ユニットのシニアエコノミスト、Xu Tianchen氏は、今回の大幅な修正は異例だが、貿易統計や国内総生産(GDP)統計に大きな影響はないとの見方を示した。
その上で「輸出業者が税還付を受けるために実在しない取引をでっち上げたり出荷額を水増ししたりする偽の貿易の取り締まりに絡み、さかのぼって修正した可能性がある」と述べた。
ロイターの算出によると、3月の輸出は国別では米国向けが22億ドル、韓国向けが4億1290万ドル、日本向けが1億0990万ドル、それぞれ下方修正された。
一部のエコノミストは3月の修正について、過去最大の引き下げ幅だと指摘する。
3月の引き下げ幅は2022年通年の輸出額修正幅の約44%に相当する。税関総署は先月、22年の輸出額を242億1000万ドル下方修正した。これにより、今年の数字は前年比のベースが低くなった格好だ。
ロイターは修正の理由について税関総署に問い合わせたが、回答は得られていない。
ANZの中国担当シニアストラテジスト、Xing Zhaopeng氏は、22年の統計が修正されたことで今年の数字は前年比で1%ポイント程度押し上げられる可能性があると述べた。