[22日 ロイター] - 豪資源大手BHPグループが22日発表した2023年度(6月終了)決算は純利益が3年ぶりの低水準となった。
同社は24年度について、先進国経済が高金利の悪影響を時間差で受けるほか、インフレ圧力が引き続き事業を圧迫すると予想。鉱山の生産コストが新型コロナウイルス前の水準を上回ると見込み、支出見通しを引き上げた。
23年度の調整後利益は前年比37%減の134億2000万ドルとなった。同社の稼ぎ頭である鉄鉱石の価格が中国の景気減速を背景に下落し、収益を押し下げた。オーストラリア国内のコスト高や労働需給の逼迫も響いた。
リフィニティブがまとめた市場予想の138億9000万ドルを若干下回った。
期末配当は0.80ドルを計画。1年前の1.75ドルから減配する。
23年度の設備投資・探鉱費用は16%増の71億ドル。資産全体でコストが約9%上昇したことなどが影響した。今後2年で100億ドルに膨らむとの見通しも示した。
短期的に先進国の見通しは不透明だとした一方、中国とインドが引き続き比較的安定的な資源の需要源になると想定している。
アーゴ・インベストメンツのポートフォリオマネジャー、アンディ・フォースター氏は、利益と配当がやや期待外れだったと指摘。ただ「商品価格がかなり下落したことは否定できないが、特に鉄鉱石などの価格は依然として健全だ」と述べた。