[25日 ロイター] - 米大手住宅建設会社の間で新築物件の価格を引き上げる動きが相次いでいる。高い住宅ローン金利により住宅所有者が改装を先送りする中、売りに出される中古物件の在庫が大きく減少していることが、住宅建設会社に追い風となっている。
高級住宅を手がけるトール・ブラザーズは23日、決算発表後の電話会見で、買い手は中古市場では「物件を全く見つけられない」と指摘。同社は5─7月期に価格を前期比で10%引き上げた。
同業レナーとパルト・グループも価格を前四半期より1─3%程度引き上げている。
BTIGのアナリスト、カール・ライハルト氏は、上場している住宅建設会社は平均で、事業を展開している地域の約3分の2で価格を引き上げていると話した。
昨年後半は、住宅ローン金利の上昇により需要が減速するとの不安により、住宅建設会社は売り上げを増やすため値下げなどの販売促進策を余儀なくされたが、その後に状況が変わった。
中古物件の在庫不足により住宅建設各社の収益は改善。S&Pコンポジット1500住宅建設サブ指数は年初来で41.90%上昇している。
バークレイズのアナリスト、マシュー・ブーレイ氏は「中古住宅市場の価格が上昇している局面では、新築住宅の価格決定力が下支えされる」と述べた。