Rajendra Jadhav
[ムンバイ 28日 ロイター] - インドのモンスーン期の雨量が8年ぶりの低水準となる見通しであることが28日、気象当局者2人の話で分かった。
インド気象局(IMD)の高官は「エルニーニョによって8月の降雨量が減り、9月の降雨にも悪影響を及ぼすだろう」との見解を示した。今年は6─9月のモンスーン期に少なくとも8%の降雨不足となる見込みで、この不足はエルニーニョ現象で降水量が減った2015年以来の大きさだとも指摘した。
2人目の当局者は「9月は北部と東部の州で平年を下回る降雨量となる可能性がある。しかし、南部では降雨量が回復する可能性がある」との見方を示した。
2人の当局者はメディアに話す権限がないとして匿名で語った。
モンスーンは3兆ドル規模のインド経済にとって不可欠で、農作物に水を与え、貯水池や帯水層を満たすために必要な雨の7割近くをもたらす。インドの農地の半分近くは、かんがいが不足している。
夏季の雨不足によって、砂糖や豆類、コメ、野菜などの必需品の価格が一段と高くなり、食品価格全体を押し上げる可能性がある。インドでは7月に食品価格の上昇率が2020年1月以来の高水準となった。
また、世界第2位のコメ、小麦、砂糖の生産国であるインドは、生産量の減少によってこられの商品の輸出抑制の強化を余儀なくされる可能性もある。
気象当局者は先に、8月のインドの降水量は過去100年超で最も少なくなる見通しとしていた。今月31日に9月の予報を発表する予定だ。