[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は景況拡大・悪化の分かれ目となる50を5カ月連続で下回るものの、前月から予想以上に改善した。一方、非製造業PMIは減速傾向を示した。
製造業PMIは49.7。7月の49.3から上昇し、市場予想の49.4も上回った。
新規受注が5カ月ぶりに増加に転じた。生産者物価は7カ月ぶりに改善しているもよう。
オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミスト、ルイーズ・ルー氏は、景気刺激策が経済に浸透し始めれば「第3・四半期に経済活動が上向く可能性はある」と述べた。
ただ、利上げとインフレで米欧などの主要輸出先の中国製品需要がなお弱く、新規輸出受注指数は6カ月連続で50を下回った。
HSBCのアジア担当チーフエコノミスト兼グローバル・リサーチ・アジア共同責任者、フレデリック・ニューマン氏は「非製造業の活動が鈍化する中、全体的な成長を鈍化させないためには製造業の確かな好転が必要になるだろう」と語った。
非製造業PMIは51.0と、前月の51.5から低下した。サービス部門の活動が引き続き低下している。
製造業と非製造業を合わせた総合PMIは51.1から51.3に上昇した。
中国経済は不動産不況の深刻化や個人消費の低迷などで2023年の成長率目標(5%前後)を達成できない可能性がある。
当局は27日、低迷する株式市場のてこ入れ策を発表。中国人民銀行(中央銀行)も25日、住宅ローン関連規制緩和に関する指針を発表した。