[上海/シンガポール 1日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は1日、金融機関の外貨預金準備率を現行の6%から4%に引き下げると発表した。15日から実施する。
引き下げは今年初めてで、このところの人民元の下落を抑制する狙いがあるとみられる。
中国の外貨預金残高は7月末時点で8218億ドル。164億ドル相当の外貨が解放されることになる。
このニュースを受けて元はオンショアとオフショアの双方で3週間ぶりの高値を付けた。オンショア元は序盤に8月11日以来の高値となる1ドル=7.2360元まで上昇。日本時間午前11時20分時点では7.2542元となっている。
人民銀は決定について「金融機関の外貨資金活用余地の向上」が目的と説明した。
市場参加者やアナリストによると、準備率引き下げは銀行間市場でドル調達コストを低下させ、元安圧力を和らげると見込まれる。ただ、元の下降トレンドを転換させるには至らないだろうと指摘した。
みずほ銀行のアジアFX担当チーフストラテジスト、ケン・チュン氏は「今回の準備率下げで追加利下げに向けた政策的余地が増すだろう」と述べた。
人民銀は昨年9月にも外貨預金準備率を2%ポイント引き下げた。
元相場は中国経済の急減速や米中金利差拡大を背景に年初から対ドルで約5%下落し、アジア通貨の中で下落率上位に入っている。