[上海 15日 ロイター] - 上海外国為替市場の人民元相場は対ドルで2週間ぶりの高値を付けた。政策支援の兆しが見られる中、8月の経済指標が予想を上回ったことを受けた。
ただ、景気回復の足取りは確かではなく、米国との利回り格差も依然として大きいことから、アナリストは人民元に対する下落圧力が続くと予想している。
国内市場の元は対ドルで7.24元に上昇し、9月1日以来の高値を付けた。8月の鉱工業生産と小売売上高が予想を上回ったことを受けた。
オフショア人民元は中盤時点で7.2626元と、前日の下落分を全て回復している。
関係筋によると、指標発表後に主要国有銀行が国内市場でドルを売却したもよう。
国有銀が堅調な指標を受けて元の上昇を加速させて他の市場参加者の追随を促したと関係者は述べた。
銀行の預金準備率引き下げや流動性供給といった新たな金融緩和措置への反応が鈍く、始値は前日終値とほとんど変わらない7.2752元だった。
アナリストの中には元の下落傾向は続くと予想する向きもいる。
ゴールドマン・サックスは15日のノートで「ドルに対して管理され緩やかに下落する中、元はキャリートレードにとって魅力的な資金調達通貨であり続けるだろう」と指摘。「元安は結局のところ、米中金利差の拡大やさえない中国経済成長に起因している」とし、中国当局による一段の元安定化措置を見込んだ。