Nell Mackenzie Carolina Mandl Marc Jones
[ロンドン 3日 ロイター] - ヘッジファンドは地政学的緊張や景気減速を受け、中国に代わる投資先を模索している。
ディスカバリー・キャピタル・マネジメントの創設者で新興国市場に長年投資しているロバート・シトロン氏は、中南米、特に大統領選挙の結果によって資産価格が上昇する可能性のあるアルゼンチンとエクアドルに好機があるとみる。メキシコにも注目している。
「他の新興国はアルゼンチン、エクアドル、メキシコのような短期的な材料がない」と指摘した。
メキシコでは通貨や金利のほか、電気通信会社やセメント会社を推奨。アルゼンチンではエネルギー企業、エクアドルではドル建て国債を選好する。
また、中国人民元や不動産開発株、銀行株の売り持ちを推奨。2008年の金融危機のような深刻な不動産危機を回避するためには金融・財政政策を大幅に緩和する必要があると述べた。
グラマシー・ファンズ・マネジメントのパートナー、グスタボ・フェラーロ氏は、発電、不動産、物流などのメキシコ中堅企業への融資を選好する。
オポチュニティ・トータル・ファンドのポートフォリオマネジャー、マルコス・モリカ氏も米中の経済見通しの違いを踏まえ、人民元の売り持ち/ドルの買い持ちを推奨。「米経済の底堅さが示されている一方で、中国経済は課題に直面している」と指摘した。
一方、グレイロック・キャピタルのハンス・ヒュームス最高経営責任者(CEO)は、地政学的緊張の高まりを巡る懸念が中国の債務に影響を与えている一方で、中国は債務不履行に陥っている多くの国に対するセンチメントの回復に寄与している可能性があると指摘する。
ザンビア、ガーナ、スリランカなどがこれに該当し、これらの国は国際債権者と債務再編で合意に近づいている。