[5日 ロイター] - 米金融大手シティグループとJPモルガン・チェース(JPM)は4日、中国の2023年の国内総生産(GDP)予想をそれぞれ前年比5%増に上方修正した。シティは8月時点では4.7%増になるとの見通しを示していた。
世界2位の経済大国である中国の経済指標が安定化したことや、中国当局が最近打ち出した経済支援策が押し上げ要因になると説明した。
今回の予測は中国当局の目標に沿っており、経済減速は「底を打った」との見解を示した。
シティのエコノミストは投資家向けのメモで、8月末以降の中国の政策による効果は予想を上回っていると指摘。一線都市に属する大都市で不動産価格の上昇が和らぎ、住宅ローン金利が引き下げられる中で、個人所得税の控除を拡大したことを要因に挙げた。中国の小売売上高が改善し、鉱工業生産は製造業の回復を受けて堅調に推移すると予想した。
JPMのエコノミスト、朱海斌氏は「商品を特定した消費支援策や、住宅市場での行政による規制の一層の緩和といった一段の政策措置が発表される可能性がある」とし、「地方政府の隠れ債務を処理するための政策スキーム(債務スワップや債務再編)にも注目したい」と言及した。生き残った民間不動産開発会社を支援する政策措置が導入される可能性も指摘した。
シティは8月時点では政策支援が期待外れだったことや、不動産危機の波及を懸念していた。