Iain Withers Kirstin Ridley
[ロンドン 13日 ロイター] - 英国の大手銀行は、西側諸国の対中制裁が将来的にエスカレートした場合に備え準備を進めており、英米政府とシナリオ分析を共有している。
金融機関の業界団体UKファイナンスの制裁担当ディレクター、ニール・ワイリー氏がロイターに明らかにした。
対ロシア制裁などで得た教訓を共有し、対中制裁の潜在的な影響について協議しているという。
UKファイナンスにはHSBC、バークレイズ、JPモルガンなど約300社が参加。資産の所有権・管理の透明性や中国製品の追跡可能性を検証しているほか、ハイテクといったリスクの高いセクターの供給網など、西側諸国と中国の商業関係の規模に着目している。中国に適用した場合に裏目に出る政策についても注意喚起を試みているという。
UKファイナンスは数カ月にわたって、国内外の大手行を集めて隔週で会議を開き、数万語から成る文書草案を作成した。文書は8月に完成し、ここ数週間で西側の政府関係者と共有されたという。
ある安全保障専門家は「大手金融機関は地政学の悲観的な方向性を踏まえ、(中国への)エクスポージャーが許容範囲かどうか検証している」との見方を示した。