[4日 ロイター] - 米国株式市場はS&P総合500種とナスダック総合が上昇し、6営業日連続で終値ベースの最高値を更新した。米半導体大手クアルコムが3日発表した好決算を受け、半導体関連株が上昇した。
ダウ工業株30種は小幅安で終了。前日まで4営業日連続で、終値での最高値を更新していたが、この日はJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスなど銀行株の下げが重しとなった。
金融株は1.3%安と、S&P主要11セクターの中で下落率が最大だった。利上げを急がない米連邦準備理事会(FRB)の姿勢を受け、米債利回りが低下したことが背景。
ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同最高投資ストラテジスト、マット・ミスキン氏は「きょうは利回り低下の恩恵を受けてグロース(成長)銘柄がよりポジティブな展開となった。FRBのテーパリング(量的緩和の縮小)発表を踏まえ、市場は全般的に利回り上昇に身構えてきたが、きょうは逆の動きが見られている」と語った。
S&Pのグロース指数は1.2%高、バリュー指数は0.5%安。主要セクターでは情報技術と一般消費財がともに約1.5%高と上げを主導した。
クアルコムは12.7%上昇。携帯電話や自動車などに利用される半導体需要の急増を背景に、第1・四半期(10─12月期)の利益と売上高の自社予想が市場予想を上回った。
フィラデルフィア半導体指数は3.5%高。同業エヌビディアも12%値上がりした。
予想を上回る第3・四半期決算が市場の地合いを支援している。リフィニティブのデータによると、S&P500採用企業の第3・四半期決算は前年同期比41.2%の増益になる見通し。これまでに約420社が決算を発表している。
エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、クレイグ・フェア氏は「企業決算は引き続き明るい材料になっている。市場では決算が予想を上回り、業績見通しを上方修正した企業が報われ、決算が予想を下回り、より厳しい見通しを示した企業が罰せられている」と語った。
バイオ医薬品会社モデルナは約18%下落。新型コロナウイルスワクチンの2021年の売上高予想を従来の200億ドルから150億─180億ドルに下方修正したことが嫌気された。
S&Pのヘルスケアセクターは0.8%安。モデルナ株の下げが重しとなった。
4日発表された米新規失業保険週間申請件数は、2020年3月半ば以来1年7カ月ぶりの低水準を付け、経済が再び勢いを取り戻しつつあることを示唆した。今後は5日に発表される雇用統計が注目される。
ニューヨーク証券取引所では、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.12対1の比率で上回った。ナスダックでは1.24対1で値下がり銘柄数が多かった。
米取引所の合算出来高は約113億株。直近20営業日の平均は104億株。
終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード
ダウ工業株30種 36124.23 -33.35 -0.09 36107.46 36168.03 35986.48
前営業日終値 36157.58
ナスダック総合 15940.31 +128.72 +0.81 15849.74 15966.09 15827.66
前営業日終値 15811.58
S&P総合500種 4680.06 +19.49 +0.42 4662.93 4683.00 4662.59
前営業日終値 4660.57
ダウ輸送株20種 16733.13 -127.85 -0.76
ダウ公共株15種 911.11 -3.06 -0.33
フィラデルフィア半導体 3715.76 +125.59 +3.50
VIX指数 15.44 +0.34 +2.25
S&P一般消費財 1652.45 +24.23 +1.49
S&P素材 546.90 -0.59 -0.11
S&P工業 890.69 +3.71 +0.42
S&P主要消費財 755.03 +1.57 +0.21
S&P金融 664.40 -9.03 -1.34
S&P不動産 300.58 -3.47 -1.14
S&Pエネルギー 435.83 +0.84 +0.19
S&Pヘルスケア 1564.98 -11.92 -0.76
S&P通信サービス 276.98 +1.06 +0.38
S&P情報技術 2919.07 +44.15 +1.54
S&P公益事業 338.30 -1.95 -0.57
NYSE出来高 9.49億株
シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29790 - 30 大阪比
シカゴ日経先物12月限 円建て 29775 - 45 大阪比