日経平均<.N225>
前場終値 9955.57 (+19.45)
寄り付き 9919.59
安値/高値 9919.1─9985.32
出来高(万株) 69621
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[東京 15日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は反発した。前日の米
株安や円高水準を維持する為替を背景に寄り付きはやや売り優勢となったが、すぐに切り
返しプラス圏に浮上。アジア勢や欧州勢の買い継続で需給が安定し、しっかりとした値動
きになった。輸出株は買いづらいものの、内需株物色が続いているという。ただ3連休を
控え上値は限定された。
東証1部騰落数は、値上がり836銘柄に対し値下がり618銘柄、変わらずが197
銘柄だった。東証1部売買代金は4374億円。
14日の米国株式相場は反落。バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が追加緩和
の可能性について、現時点で一段の措置を講じる用意はないとの考えを示したことが嫌気
され、ハイテク株が下げを主導し、ナスダック総合<.IXIC>は1%超下落した。ドル/円
が79円台と引き続き円高水準で推移する為替も懸念要因とされ、寄り付きの東京市場は
やや売り優勢となった。
ただ、その後はすぐに切り返しプラス圏に浮上するなど底堅い展開。外資系証券トレー
ダーによれば中国勢とみられるアジア勢の買いや欧州勢の実需買いが観測された。市場で
は「短期的な過熱感が後退し、値ごろ感が出ている。輸出関連株は買いづらいが、震災で
落ち込んだ小売など内需関連を買う動きが続いている」(SMBC日興証券・国際市場分
析部次長の橘田憲和氏)との声もあった。
一方、上値も限定的だった。今週末は東京市場が3連休となるため、上値ではポジショ
ン調整売りが警戒されるという。また「今晩に7月NY州製造業業況指数など重要な米経
済指標の発表を控えるほか、欧州銀行のストレステストの結果発表など重要イベントを前
に動きづらい」(立花証券・執行役員の平野憲一氏)との声が聞かれた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニア投資ストラテジストの吉越昭二氏は「海外
勢の買いが継続し需給が安定している。確かに円高は収益にマイナスだが、マクロ指標の
回復やサプライチェーンの復旧などを評価しているのだろう。今後買いの勢いが緩む可能
性はあるが、円高によりドル建てのポートフォリオには余裕がある。急いで売ることもさ
なそうだ」と指摘していた。
個別銘柄ではファーストリテイリング<9983.T>が反落した。14日、2011年8月期
の連結業績予想を据え置くと発表したが、市場からは「業績拡大期待を織り込んで株価が
上昇していただけにネガティブな印象」(外資系証券)との声が聞かれた。
東京証券取引所傘下でプロ向け市場のTOKYO AIM取引所の上場第1号となった
メビオファーム<4580.JA>は900円売り気配のまま前場を終了した。現時点で売り39
万4000株に対し買いは8000株となっている。事前に提示されていた板中心値段は
1200円だった。
(ロイターニュース 杉山容俊)