[ワシントン 8日 ロイター] - 米国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は8日、追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る議会との協議を中止したとし、複数州による経済活動再開の行方を見極めるため、今月は新たな刺激策を検討しない考えを示した。
議会はこれまでに新型コロナの打撃を受けた経済を支えるための景気対策第4弾を承認。民主党のペロシ下院議長は前日、第5弾となる新型コロナウイルス対策法案の概要を発表した。
カドロー氏は記者団に対し「大規模な刺激策を打ち出したばかりだ」とし、議会との正式な協議は月内は停止するとした。
また、ブルームバーグとのインタビューでは、政権が新型コロナ第2波や新たなロックダウン(都市封鎖)などに備えた対応策を用意していると明らかにした。
一方、民主党の重鎮シューマー上院院内総務は、同日発表された低調な米雇用統計に言及し、「政府の追加行動を止めるべきと誰が思うだろうか」と指摘。「米雇用者や世帯支援に向けた大規模かつ大胆なアプローチが必要だ」と言明した。
米労働省が同日発表した4月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月から2050万人減となり、1930年代の大恐慌(グレート・ディプレッション)以降で最大の落ち込みとなった。新型コロナのパンデミック(世界的流行)が米経済に打撃を与えていることが浮き彫りとなった。
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