ダウジョーンズ工業株30種平均が9取引日で初めて下落したため、今日はリスク回避の傾向が強まった。 通貨及び米国債利回りが同時に低下することは、投資家が高インフレへの懸念を強めているという見方を裏付けている。 ドル円相場もほぼ1か月で最低水準に落ち込んだが、これは米国金利への影響ではなく、経済への影響によるものだ。 生産者物価指数は10月に0.6%上昇し、予想通りの結果となった。 コアPPIと前年比の成長率は予想よりもわずかに弱かったものの8.6%で、卸売指数は10年以上にも渡る期間の中で最速ペースで上昇した。 明日の消費者物価指数は一般的に市場を動かすものであり、今日のレポートは投資家にCPIが勢い付くと示す正当な理由を示している。
問題は、成長のペースがインフレのペースに追いついていないことであり、それが心配の種となっている。 投資家は、今年のホリデーシーズンの価格上昇によって消費者の財布が圧迫されることを懸念しているため、利回り低下及び株価の下落に繋がっている。 在庫が少なくなると価格が上昇するため、サプライチェーンの問題はさらに厄介になる可能性がある。 これは、消費者が貯蓄に没頭するか支出を減らす必要があることを意味する。 米国では感謝祭が近づいており、農業専門家は七面鳥のコストが輸送と労働の制約のため25%も上昇しているという。 一部の店舗は、顧客を自分の店に誘致するため差額を助成しているものの、価格が上昇している他の商品が消費される場合に限られる。
対日本円通貨は最も大きな打撃を受け、 豪ドル円と NZドル円がスライドをリードする結果に。 豪ドルと NZドルはリスクに特に敏感であるため、当然のことであると言える。 オーストラリアの企業信頼感とニュージーランドのクレジットカード支出は10月に急増。 オーストラリアの消費者信頼感指数は今夜発表される予定であり、温暖な天候と規制の緩和により上昇志向にあると予想する。 インフレ率は中国由来であり、米国の価格と同様に先月は急激に上昇すると予想されている。
ユーロは、欧州中央銀行当局のハト派のコメントにも関わらず、変化無く1日を終えた。 ECBのメンバーであるクラース・ノット氏によると、2022年に利上げの条件が満たされる可能性は低いとのことである。ドイツからの最新の経済報告はまちまちであった。 国の貿易黒字は増加したが、輸出は減少し、輸入は予想よりも増加しなかった。 ドイツのZEW調査の現状要素は急激に低下したものの、期待要素は増加した。 ユーロ圏の指数も上昇し、投資家は依然として回復について楽観的であることを示している。 カナダドルは、 石油の急激な回復を抑え、米ドルに対して変化なく1日を終えた。