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欧米為替見通し:カナダドル・円は下げ渋り、原油価格の高値圏維持が下支え

発行済 2017-02-08 17:25
更新済 2017-02-08 17:33
欧米為替見通し:カナダドル・円は下げ渋り、原油価格の高値圏維持が下支え
今日の欧米外為市場では、カナダドル・円は下げ渋る展開を想定したい。
欧州政治リスクを背景に市場センチメントが悪化するなか、原油価格が高値圏での安定推移が続けば、カナダドルは下値の堅い値動きとなりそうだ。
一方、ドル・円は、10日の日米首脳会談に向けての思惑から、上値が重い展開が続くとみられる。


フランス大統領選に向け有力候補者のスキャンダルが相次いで報じられたことで、欧州連合(EU)離脱を掲げる極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首勝利に現実味が増し、欧州政治リスクとして嫌気されている。
足元ではユーロ売りが強まる地合いが継続。
ユーロ売り・ドル買いの影響でドル・円は上昇に振れる一面もあるものの、他の主要通貨は市場心理の悪化を反映し、対円では安値圏でもみ合う展開となっている。


このうち、カナダドルは底堅い値動きをみせている。
米国のトランプ政権発足で北米自由貿易協定(NAFTA)見直しならカナダ経済へのダメージは甚大となるため、米国との協議の行方が注目される。
欧州政治リスクのほか、目先の利下げ観測もあり、カナダドルには下方圧力がかかりやすい。
ただ、足元ではNY原油先物が50ドル台前半の高値圏で安定的に推移しており、カナダドルの下げは限定的となっている。
本日発表予定の米エネルギー情報局(EIA)の週報(週次石油在庫統計)が材料になる。


また、前日発表されたカナダの12月貿易収支は+9.2億カナダドルとなり、2014年以来となる2カ月連続の黒字を記録。
今晩は22時15分に1月住宅着工件数の発表があり、前回から下振れが見込まれるものの、予想内ならカナダドル売りにはつながらないとみられる。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:-3.2%)
・22:15 カナダ・1月住宅着工件数(予想:19.73万件、12月:20.7万件)
・03:00 米財務省10年債入札(230億ドル)
・05:00 NZ準備銀行が政策金利発表(1.75%に据え置き予想)



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