米労働省が発表した6月JOLT求人件数は562.4万件と、5月551.4万件から一段と増加し米国の労働市場が強まったことを確認した。
労働市場のスラックを判断するために労働市場情勢指数(LMCI)と同様、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長はJOLT求人件数を重要視している。
退職率(Quits rate)の6月分は2.0%と、5月から変わらず、金融危機水準2.1%を小幅下回る水準で推移。
退職率は、雇用者の労働市場への自信をあらわすとして、イエレン議長が特に注目している項目。
採用率(Hires rate)は3.6%と、5月3.5%から上昇した。
解雇者数は164万人と、170万人から減少し2014年9月来で最少にとどまった。
解雇率(Layoffs/discharges rate)は1.1%と、5月1.2%から低下した。
やはり米労働省が先週発表した7月雇用統計でも非農業部門雇用者数が25.5万人増と、6月の29.2万人増に続き予想外に2ヶ月連続で20万人以上の伸びを記録。
さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)が週初に発表した7月労働市場情勢指数(LMCI)も6月から改善、1.0ポイント上昇で年初来初めての上昇となった。
6月分も1.9ポイントの低下から0.1ポイントの低下へ上方修正された。
米国の労働市場は連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの予想通り最大雇用の目標に向けて順調に進展していることが明らかになった。
一方、4−6月期の非農業部門の労働生産性が3四半期連続のマイナスに落ち込む低迷を見せている。
3四半期連続のマイナスは1979年以来で最長となる。
労働生産性が低迷する中、FOMCは引き続き辛抱強く、遅いペースでの利上げ軌道を維持すると見られる。
■イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード(最新)
◎危機前に比べ状態が改善 ← 危機前の水準と比較
6月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.1%(5月1.2%) ← 1.4%(下回る)
7月失業率(Unemploynent rate):4.9%(6月4.9%) ← 5%(下回る)
6月求人率(Job openings rate):3.8%(5月3.7%) ← 3%(上回る)
7月雇用者数(Nonfirm payrolls):+25.5万人(6月+29.2万人) ← +16.18万人(下回る)
◎状態が危機前より依然悪い ← 危機前の水準と比較
6月退職率(Quits rate):2.0%(5月2.0%) ← 2.1%(下回る)
7月広義の失業率(U-6):9.7%(6月9.6%) ← 8.8%(上回る)
7月長期失業率:41.7%(6月40.5%) ← 19.1%(上回る)
7月労働参加率:62.8%(5月62.7%) ← 66.1%(下回る)
6月採用率(Hires rate):3.6%(5月3.5%) ← 3.8%(下回る)