中国投機資金の一部が仮想通貨の「ビットコイン」市場に流入している。
5月31日の相場は1ビットコイン当たり3734人民元(約6万1900円)で推移。
27日寄値の3016人民元から23.8%も上昇した。
30日には直近高値の3988人民元を記録。
ドル建て表示の相場も、27日寄値の453米ドルから29日には590米ドル(↑30.2%)まで高騰した。
それでも過去最高値と比べれば半値以下の水準という。
北京青年報が1日付で伝えた。
中国のビットコイン取引所の規模は大きい。
火幣網(huobi.com)と比特幣(okcoin.com)は世界の1位と2位を独占する。
合算の取引額は、世界全体の92%を占めるほど巨大だ。
米ドル建てと比較し、人民元建てのビットコイン相場はプレミアムが付いているのが特徴。
足元では、7.2%ほど高い価格で推移している。
この理由に関しては、2015年8月の為替政策変更以後の元レート下落などがある。
人民元資産の減価を回避する狙いという。
海外送金が規制されるなかで、管理を受けずに送金できるメリットも存在。
株式や不動産の市場が停滞期を迎えたことで、ホットマネーの一部も流入しているとみられる。
専門家によれば、近年はビットコインをめぐる取引技術の高さも認知されてきた。
一部の金融機関や中央銀行の間にも、「通貨」として認める動きも出てきている。
これらがビットコインの市場を支えるようになったという。
ただ、相場の乱高下を警戒する必要がある。
不必要に手を出さないほうが賢明だ。
ビットコインは2010年8月の0.08米ドルから、11年2月12日には1.09米ドルに急伸。
6月10日に高値35米ドルを付けた後は、11月21日に2.29米ドルまで94%下落した。
その後も13年の4月に237.57米ドル、7月に69.7米ドルに変動。
11月30日には過去最高の1200米ドルを記録した。
バブルが弾けて再び急落し、昨年初めには220米ドルまで低下した経緯がある。
火幣網のビットコイン相場は日本時間の2日12時40分現在、前日比0.45%高の3607.23人民元で推移。
高値は3625人民元、安値は3536人民元となっている。
【亜州IR】