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NYの視点:ECB、ユーロの上昇を承認せず

発行済 2015-05-20 07:25
更新済 2015-05-20 07:33
欧州中央銀行(ECB)の積極的な金融刺激策が奏功しユーロ圏経済が回復を見せている。
域内の国債利回りは、景気回復を背景に急伸した。
とりわけドイツ連邦債の10年物はマイナス金利を目前にした4月中旬の0.03%からわずか1ヶ月の間に0.723%まで上昇。
欧州経済の回復を受けて、市場参加者の間ではECBが現在実施している量的緩和(QE)を早期に終了するとの見方も浮上。
これを受けて、ドラギECB総裁は、少なくとも2016年9月まで各月600億ユーロの資産を購入するというQEの当初の計画を断行する方針を改めて表明した。
その後、欧州債券利回りの上昇は一段落。
クーレECB理事やノワイエ仏銀総裁も欧州債券の利回り低下やユーロの下落を手伝った。
ノワイエ仏銀総裁は「2%近くにインフレを上昇させるために必要とあれば追加措置を実施する用意がある」と発言したほか、必要であれば2016年9月以降もQEを継続させる準備があると強調した。
クーレ理事は流動性の問題から必要とあればQEを前倒しで実施、夏の閑散期となる7月中旬より前にQEペースを加速する可能性を示唆した。
また、短期物のマイナス金利は「問題にならない」との見方を示している。
一連のECB関係者のQEに関する発言はギリシャとの協議が行き詰まり、「ECBが万が一に備えている証拠」と指摘するアナリストもいる。
欧州経済の改善やインフレの上昇にはユーロ安が必要になることは確か。
若干域内の景気が上向いたとしてもECBがユーロの上昇を容認することはなさそうだ。
ECBの方針は長期のユーロ安要因となる。

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