[ドバイ/ロンドン/リヤド 24日 ロイター] - サウジアラビア政府は国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を年内には実施しそうにない。同社の石油施設が攻撃を受けたことが影響した可能性がある。2人の関係筋が明らかにした。
サウジのムハンマド皇太子は経済改革を進めており、アラムコのIPOは目玉施策に位置付けられている。石油依存から脱却し経済の多様化を進めるためにIPOで資金調達する意向だ。
14日に石油精製の施設2カ所が攻撃され、アラムコの生産は半減した。アラムコのルマイヤン会長は先週、1年以内にIPOを実施できると話した。
関係筋は当初、昨年延期されたIPO計画は早ければ今年の11月に実現する予定だと話していた。まずはサウジ国内の証券取引所で1%の株式を上場し200億ドルを調達する計画で、5%を上場し約1000億ドルを調達する第一段階だった。
関係筋によると計画は来年に後ずれする見通しだ。1人の関係筋は「生産回復に加え、信頼を築く必要がある」と語った。
石油施設の攻撃を受けた後もアラムコは銀行やアナリストと予定通り協議を進めていたが、投資家の間では国内上場の時期がずれるのではないかとの観測が出ていた。