■中期経営計画と今後の展望
(2)今後の事業戦略
ナガイレーベン (TOKYO:7447)を取り巻く事業環境は、当面は追い風と言える。
厚生労働省が発表した資料によれば、看護職員数は2012年の154万人から2025年には最大で206万人に増加すると予測されている。
さらに介護職員数も2012年の149万人から2025年には249万人と予測されている。
このような事業環境の中で、同社は以下のような戦略によって中期的な成長を達成していく計画だ。
●患者・手術等の周辺市場の拡大 同社は主力のヘルスウェアでは既に高いシェアを維持しており、安定的な更新需要が期待できる。
一方で患者ウェア、手術ウェアなどの周辺市場は開拓の余地が残されている。
今後は新製品の投入などにより、これらの周辺市場の拡大に注力していく方針だ。
●西日本エリアのシェアアップ 地域別では、東日本地区で高いシェアを維持しているが、中部日本・西日本地区でのシェアは相対的に低い。
言い換えれば、これらの地区では一段のシェアアップが可能である。
シェア拡大に向け、単なる営業攻勢だけでなく、高機能性商品や新製品の投入を積極的に行っていく。
●高機能性商品の開発・販売 同社が既に強い市場では付加価値向上のために、また、シェアアップを狙う市場においては営業戦略の武器として、高機能性・高付加価値商品の開発を積極的に進める。
これを実行するために、素材メーカーや商社との取り組み(コラボレーション)を強化する一方で、顧客満足度を高めるために「QR(Quick Response)」生産体制を一段とブラッシュアップしていく方針だ。
●売上総利益率の改善 過去20年間で同社の売上総利益率は約12ポイント改善(35%前後→47%前後)した。
今後も同様のペースで利益率を改善することは容易ではないが、同社では主に以下のような施策によって利益率の更なる改善を目指している。
1つ目は海外生産比率の拡大だ。
現在の海外生産比率は45.2%と、その他アパレルメーカーに比べて低い水準にある。
海外生産比率をさらにアップさせる余地は大きく、海外生産を増やすことで利益率の向上を図ることが可能である。
ただ、国内生産を一気に海外生産へシフトするのではなく、国内での生産量を維持したまま、増収分を海外で生産していく方針である。
なお、2014年2月には、インドネシア中部ジャワ島で建設中だった新工場が稼働を開始、2015年末までに従来の海外生産地ジャカルタからのシフトを完了する予定。
2つ目の利益率改善策は、高付加価値製品の開発だ。
高機能性商品など利幅の大きい製品の売上比率が高まれば、全体の売上総利益率も改善していくことになる。
さらにまだ正式には発表されていないが、新市場の開拓も進めつつあり、将来的には新市場(新製品)も利益率の改善に寄与する計画だ。
また円安は利益率を悪化させる大きな要因の1つだが、この対策としては積極的な先物予約によって為替変動を平準化させる一方で、ドル現物預金によって可能な限りヘッジする方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
厚生労働省が発表した資料によれば、看護職員数は2012年の154万人から2025年には最大で206万人に増加すると予測されている。
さらに介護職員数も2012年の149万人から2025年には249万人と予測されている。
このような事業環境の中で、同社は以下のような戦略によって中期的な成長を達成していく計画だ。
●患者・手術等の周辺市場の拡大 同社は主力のヘルスウェアでは既に高いシェアを維持しており、安定的な更新需要が期待できる。
一方で患者ウェア、手術ウェアなどの周辺市場は開拓の余地が残されている。
今後は新製品の投入などにより、これらの周辺市場の拡大に注力していく方針だ。
●西日本エリアのシェアアップ 地域別では、東日本地区で高いシェアを維持しているが、中部日本・西日本地区でのシェアは相対的に低い。
言い換えれば、これらの地区では一段のシェアアップが可能である。
シェア拡大に向け、単なる営業攻勢だけでなく、高機能性商品や新製品の投入を積極的に行っていく。
●高機能性商品の開発・販売 同社が既に強い市場では付加価値向上のために、また、シェアアップを狙う市場においては営業戦略の武器として、高機能性・高付加価値商品の開発を積極的に進める。
これを実行するために、素材メーカーや商社との取り組み(コラボレーション)を強化する一方で、顧客満足度を高めるために「QR(Quick Response)」生産体制を一段とブラッシュアップしていく方針だ。
●売上総利益率の改善 過去20年間で同社の売上総利益率は約12ポイント改善(35%前後→47%前後)した。
今後も同様のペースで利益率を改善することは容易ではないが、同社では主に以下のような施策によって利益率の更なる改善を目指している。
1つ目は海外生産比率の拡大だ。
現在の海外生産比率は45.2%と、その他アパレルメーカーに比べて低い水準にある。
海外生産比率をさらにアップさせる余地は大きく、海外生産を増やすことで利益率の向上を図ることが可能である。
ただ、国内生産を一気に海外生産へシフトするのではなく、国内での生産量を維持したまま、増収分を海外で生産していく方針である。
なお、2014年2月には、インドネシア中部ジャワ島で建設中だった新工場が稼働を開始、2015年末までに従来の海外生産地ジャカルタからのシフトを完了する予定。
2つ目の利益率改善策は、高付加価値製品の開発だ。
高機能性商品など利幅の大きい製品の売上比率が高まれば、全体の売上総利益率も改善していくことになる。
さらにまだ正式には発表されていないが、新市場の開拓も進めつつあり、将来的には新市場(新製品)も利益率の改善に寄与する計画だ。
また円安は利益率を悪化させる大きな要因の1つだが、この対策としては積極的な先物予約によって為替変動を平準化させる一方で、ドル現物預金によって可能な限りヘッジする方針だ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)