日経平均<.N225>
前場終値 9926.81 (+0.89)
寄り付き 9891.11
安値/高値 9887.33─9973.23
出来高(万株) 83909
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[東京 13日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は反発した。欧州の債
務危機問題を背景とする欧米株安や円高を受け、東京市場は売り先行となったが、前週ま
での日本株の上昇ピッチが速かったことから買い遅れた投資家による買いでプラス圏に切
り返した。急激な円高に振れたことで、当局による為替介入期待が強まったことも買いを
支援した。市場では欧州勢の売り/中国を中心としたアジア勢の買いが観測されている。
東証1部騰落数は、値上がり817銘柄に対し値下がり605銘柄、変わらずが221
銘柄だった。東証1部売買代金は5238億円。
12日の米国株式市場は3営業日続落。欧州債務危機をめぐる懸念が広がったほか、ハ
イテク企業の決算がさえず、買い材料の乏しい展開となった。リスク回避の動きを背景に
朝方の外為市場でドル/円が一時78円半ばまで円高が進んだことから、東京市場も序盤
は主力輸出株を中心に売りが強まった。ただ、日本株は前週まで上昇ピッチが早く、「買
い遅れた投資家も多い」(大手証券の株式トレーダー)とされ、そうした買いが下値で入
ったことで下げ渋った後プラス圏に切り返した。
大手証券エクイティ部の関係者は「欧州債務危機に対する米国市場の反応が予想外に鈍
く、先物に買い戻しが先行している。前日に日銀が1日としては過去最高の指数連動型上
場投資信託受益権(ETF)買いを入れたことも売り込みにくい要因」と指摘した。日銀
は12日、ETFを221億円購入したと発表した。
株式市場は為替にらみの展開。バークレイズ・キャピタル証券・株式ストラテジストの
高橋文行氏はドル/円の80円割れの水準が続いていることについて「一過性のものかど
うか見極めたいとのムードが強い。買い急ぐ必要も売り急ぐ必要もない状況」と指摘す
る。一方で、円高を背景に序盤は輸出株を中心に売られたが、政府・日銀による為替介入
期待が強まり、その後は切り返した。ただ、外為市場では「介入は難しい」(シンクタン
ク)とみている。
大手証券の株式トレーダーは、前場の取引では中国をはじめとするアジア勢による買い
のほか、「国内勢の押し目買いもあったのではないか」との見方を示す。一方で、これま
で買いを入れてきた欧州勢の売りがみられたという。引き続き薄商いのなか、個別物色の
動き。
個別銘柄では東芝<6502.T>が序盤から小幅に買われた。同社は12日、主力製品のNA
ND型フラッシュメモリーを生産する四日市工場(三重県四日市市)の新棟(第5製造棟
)が今月から量産を開始し、8月から出荷すると発表した。また、日本調剤<3341.T>が大
幅高となった。12日に2012年3月期業績予想を上方修正したことが好感されてい
る。
(ロイターニュース 吉池 威)