日経平均<.N225>
前場終値 9926.74 (‐36.40)
寄り付き 9929.18
安値/高値 9884─9953.71
出来高(万株) 74501
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[東京 14日 ロイター] 前場の東京株式市場で、日経平均は反落した。前日の米
株高を受け東京市場は買い先行と予想されていたが、外為市場でドル/円が79円を割り
込むなど一段の円高に振れたことで序盤は売り優勢となった。ただ、その後はきょうの米
国市場を見極めたいとのムードが強まり下げ渋った。欧州勢や中国を中心とするアジア勢
が買いを入れる一方で、国内年金筋からは売りが出ているという。
東証1部騰落数は、値上がり575銘柄に対し値下がり851銘柄、変わらずが236
銘柄だった。東証1部売買代金は4396億円。
13日の米国株式市場は4営業日ぶりに反発。注目されていたバーナンキ米連邦準備理
事会(FRB)議長の議会証言で、経済見通しが悪化すれば追加の景気支援措置を検討す
る用意があると発言。東京市場は、朝方の外為市場でドル/円が79円を割り込むなど一
段の円高が進んだことから、売り先行となった。ただ、序盤の売り一巡後は下げ渋った。
市場では「欧州財政不安がくすぶっているほか、ムーディーズが米国の格付けを引き下
げ方向で見直すと表明したことを受け、今晩の米株動向も気になる」(大手証券)と警戒
感が広がった。ただ、日経平均はおおむね9900円台前半で推移。「もう少し下げても
不思議ではないが、投資家の危機意識は乏しいようだ。前日に日銀がREITを購入する
など連日で買い姿勢を示したため需給面で安心感があるのかも知れない」(同)との声も
出ていた。
邦銀系の株式トレーダーによると、中国を中心とするアジア勢や欧州のリアルマネーに
よる買いがみられた一方で、国内年金筋などが売りを出しているとの観測が出ている。個
別銘柄ではトヨタ自動車<7203.T>が円高を背景に売られた。大手証券の株式トレーダーは
トヨタ株について、海外勢による買いもあるが、別の海外勢からはそれ以上に売りが出
ているとみている。
トヨタは13日、「日本のモノづくり強化」に向け、国内生産子会社を再編すると発表
した。株式交換により2012年1月1日付で車両組立子会社のトヨタ車体<7221.T>と関
東自動車工業<7223.T>を完全子会社化。両社が得意としてきた領域で車両の企画から開発
生産まで一貫して担当させる。これを受け、両社の株価はともに大きく買われた。
また、日本金属工業<5479.T>が続伸し、約4カ月ぶりの高値水準を回復。14日付日刊
産業新聞で、日新製鋼<5407.T>と同社が統合に向けた協議を進めているが、近く合意し発
表する見通しと報じられ、材料視された。日新製鋼株価も上昇し、約2か月ぶりの高値水
準を回復。またステンレス業界の再編思惑の高まりから日本冶金工業<5480.T>や日本金属
<5491.T>なども買われている。ただ、日本金属工業と日新製鋼はともに報道を否定した。
(ロイターニュース 吉池 威)