[ダボス/フランクフルト 25日 ロイター] - 9月末までにマイナス金利からの脱却を目指すラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の計画を巡り、複数のECB当局者が25日、相次いで支持を表明した。一方、ハト派の重鎮とされる専務理事は懐疑的な見方を示し、一線を画した。
ラガルド総裁は今週、ECBが7月に中銀預金金利の引き上げを開始し、9月末までにゼロか「ゼロをわずかに上回る」水準に達する可能性があるとし、現在の水準から少なくとも50ベーシスポイント(bp)の引き上げを示唆した。
保守派とされるクノット・オランダ中銀総裁は、CNBCとのインタビューでは、7月に50bpの利上げを決定することを排除すべきでないと語ったものの、ラガルド総裁が示した計画を「全面的に支持する」とし、ラガルド氏の「漸進主義」と歩調を合わせ、25bpの利上げを支持する考えを示唆した。
ハト派のレーン・フィンランド中銀総裁も、7月と9月にそれぞれ25bpの利上げを実施することを支持すると言明。
ECBのチーフエコノミストを務めるレーン専務理事は、ラガルド総裁が示す金利の道筋は「明確かつ堅固」と評価。同時に、ECBが第3・四半期に利上げを開始する必要があるものの、ウクライナでの戦争やインフレ動向によって、9月以降の先行き不透明感が強まっているという認識を示した。
一方、ハト派の重鎮とされるパネッタ専務理事は、ECBは段階的に金融緩和を解除すべきだが、政策の正常化と金利を中立水準に戻すことを同一視すべきではないと強調。「正常とは中立を意味しない。正常化のプロセスは、自然利子率や中立金利など、観測できない参照値に照らし合わせて評価すべきではない」とし、「『正常化タントラム』のリスクを回避する必要がある」と述べた。