[パリ 29日 ロイター] - フランスのグレゴワール観光担当相は、今夏は国内観光部門が大きく回復していると明らかにした。生活費に対する懸念や熱波、森林火災などにもかかわらず、新型コロナウイルス禍で2年にわたった落ち込みを経て、内外の観光客が休暇で押し寄せているという。
同相は記者会見で、速報値によると今夏は3500万人ものフランス人が休暇のため出かけたと説明。10人中7人の割合となり、昨年の約6割を上回る水準という。
コロナ禍前の2019年のフランスへの渡航者は世界最多で、外国からの観光客は約9000万人だった。
グレゴワール氏は「引き続き世界第1位の目的地でありたい」と述べた。今夏は国内のホテルやレストランでのクレジットカード支出が19年を10%上回ったという。
観光部門は仏国内総生産(GDP)の8%を占め、200万人の雇用を創出している。
7月と8月前半の統計では、利用可能な1室当たりの売上高が19年の水準を22.2%上回った。ドル高の恩恵を受けている米国のほか中東諸国からの富裕な観光客が戻り、特にパリと南仏地域では大きく増加した。