欧州委員会は本日、フランスをはじめとするEU加盟6カ国に対し、財政赤字の上限を超えたとして懲罰措置を開始する意向を表明した。赤字の主な原因は、COVID-19の大流行と、それに続く2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー危機であり、EUの執行部門はこの措置に踏み切った。
過剰赤字対策として知られるこの措置に直面する国には、ベルギー、イタリア、ハンガリー、マルタ、ポーランド、スロバキアが含まれ、EU第2位の経済大国として特に監視の目を向けられているフランスも含まれる。この手続きは、もともと過剰な借入を抑制するために設計されたEUの財政規則が2020年に一時停止され、その後改革されて以来、初めての試みとなる。
フランスの財政赤字は2023年には国内総生産（GDP）の5.5%に達し、2024年には5.3%にわずかに減少すると予測されている。この数字はEUの財政赤字上限であるGDP比3％を超えている。さらに、フランスの公的債務は2023年にGDP比110.6%まで上昇し、2024年には112.4%、2025年には113.8%まで増加する見込みで、EUの上限である60%の2倍に迫る勢いだ。
エマニュエル・マクロン大統領は、欧州選挙での同党の不振を受け、6月30日から7月7日にかけて実施される臨時国政選挙を要求した。 今度の選挙と欧州委員会との交渉により、フランス新政権は安定成長協定に沿った中期財政戦略を策定する必要がある。
欧州委員会はフランスに対し、財政赤字と債務残高を削減するための7カ年計画を提案する予定で、そのための話し合いが今後数カ月にわたって行われる。フランス財務省関係者は、選挙後に発足する政府がこの戦略について欧州委員会と調整する責任を負うと述べた。
しかし、世論調査ではマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党「国民結集」がリードしており、欧州委員会は、よりユーロ懐疑的で保護主義的な経済姿勢を好む政府を相手にすることになるかもしれない。ルペン党は、定年退職年齢の引き下げ、エネルギー価格の引き下げ、公共支出の増加を主張しており、フランスの財政健全性に対する懸念が市場で高まっている。
投資家は先週、政治的不透明感に反応してフランス資産を売り越し、フランス国債利回りの大幅な上昇（週間では2011年以来の大幅上昇）と銀行株の値下がりを招いた。フランスが国政選挙に臨み、欧州委員会と財政再建の協議を行う中で、こうした動きの全容が明らかになるだろう。
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