インドのナレンドラ・モディ首相のモスクワ訪問は、西側諸国やロシアとの関係の中で、インドの国際的な協調に対する懸念に対処するために行われると予想されている。訪問の日程は未定だが、ワシントンで開催されるNATO首脳会議と重なることが予想され、そこではウクライナが重要な議題となる。
ロシアと中東、アフリカ、ラテンアメリカ諸国との貿易が増加傾向にあることから、今度の首脳会談はロシアが西側圏以外の国々との強い結びつきをアピールする機会と見られている。アナリストたちは、モディの訪問は、特に中国との領土問題を考慮し、ロシアと中国の間でインドの戦略的利益のバランスをとる役割を果たすだろうと指摘している。
インドと中国は、2020年の国境での紛争以来、緊張した関係を経験している。2000年以来の伝統であるロシアとインドの年次首脳会談は、ウクライナ戦争とロシアと中国の関係激化のため、2021年の直接会談を最後に中断していた。その後、プーチン大統領と中国の習近平国家主席はパートナーシップの「新時代」を宣言した。
ウクライナ紛争の影響で軍需品や予備品の供給が難しくなっているインドにとって、最大の武器供給国であるロシアとの関係を維持するためにも、モディのモスクワ訪問は重要だ。観測筋は、今回の訪問が印ロ関係の漂流に関する憶測を鎮め、さまざまな世界的大国との関係を維持するインドの意図を強調するものと考えている。
クレムリンは、モディの訪問中の話し合いは、貿易と経済関係の深化に焦点を当て、地域と世界の安全保障問題も重要な議題になると予想している。ロシア産原油の輸入を増やしているインドは、原油価格の割引幅を拡大する交渉と、ロシアのサハリン1石油プロジェクトにおけるONGCヴィデーシュの株式20％を維持する正式な承認を得ることを目指していると報じられている。
3月期のインドとロシアの貿易額は33％増の657億ドルで、インドの輸入額は614億3,000万ドルだった。インドは、医薬品や機械などの対ロ輸出拡大も目指している。これらの交渉結果の詳細は、サミット後に明らかになるだろう。
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