ゴードン・ブラウン政権以来となる労働党の首相にキア・スターマー氏が就任したことで、市場は安定した反応を見せている。トレーダーがこぞって予想していた労働党の選挙での圧勝は、激動の時代の終結と見られている。
英ポンドは、年間を通じて対ドルで上昇した唯一のG10通貨として際立った存在感を示した。その貿易加重値は、ブレグジット投票が行われ、6人の首相が誕生した2016年の水準に戻った。
投資家は英国の財政見通しに対する自信を示しており、それは英国国債（ギルト）の保有プレミアムがドイツの10年債に対して約160bpと安定していることからも明らかである。この安定は、2022年のミニ予算危機の際の230ベーシス・ポイントから顕著な改善である。
アジアでは、選挙結果を受けてFTSE100先物は0.2％の小幅上昇となった。着実に成長する経済とインフレ率の鈍化に支えられ、市場は今年過去最高値を更新した。労働党の具体的な経済・財政戦略はまだ明らかにされていないが、現在の市場の静けさは、政策立案者が落ち着いた背景のもとで活動することを可能にしている。
ユーロも堅調に推移している。フランスの極右政党「国民集会」が来る日曜日の議会決選投票で絶対多数を確保できないことを見越して、ユーロは上昇を固めている。しかし、今週1%上昇したユーロは、予想外の選挙結果に左右される可能性がある。
アジアでは株式市場が活況を呈しており、日本と台湾は過去最高値を更新、韓国の主要株価指数は数年来のピークを記録した。一方、シンガポールの株式市場は、主要銀行株の上昇によって急騰した後、やや後退した。
この後、米国では非農業部門雇用者数の発表が予定されており、労働市場のわずかな減速が予想される。さらに、多くのトレーダーが独立記念日の休暇を長期休暇に延長するため、取引は閑散とした後、ジョー・バイデン大統領のインタビューがABCニュースで放映される。
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