主要テクノロジー銘柄の下落が暗号通貨から金まで幅広い資産に影響を及ぼす中、投資家は今年最も人気のあった投資先から手を引いている。水曜日はウォール街で2022年後半以来の大幅な売り越しとなり、NASDAQ:COMPは3.6%下落、S&P500は2.3%下落した。しかし、木曜日の午後には両指数とも反発した。
金、暗号通貨、ドル、新興市場の上昇とともに、特にハイテクセクターの株高を特徴とする2024年の「なんでもラリー」は一時停止した。大手ハイテク企業の高評価に対する懸念、米中貿易摩擦の激化、冴えない業績など、さまざまな要因が重なり、市場の不安を煽っている。
兆ドル超の「マグニフィセント・セブン」の2社であるテスラ（NASDAQ:TSLA）とアルファベット（NASDAQ:GOOGL）の決算報告は、投資家に今後の決算に対する不安を抱かせている。このグループには、アップル（NASDAQ:AAPL）とエヌビディア（NASDAQ:NVDA）も含まれている。
ロンドンのファンドマネージャーArtemisの投資ソリューション責任者であるトビー・ギブ氏は、市場の予測不可能性と将来の動きを予測することの難しさについてコメントした。ボラティリティは急上昇しており、VIX指数は水曜日に過去2年間で最も大きく上昇した。
現在のボラティリティにもかかわらず、Truist Advisory Servicesの共同最高投資責任者であるキース・ラーナー氏は、ハイテク株に対する長期的な見方を維持している。同氏は、大幅なアウトパフォームの後に最近の調整があったことを認めつつも、長期的な強気相場のトレンドはまだ維持されていることを示唆した。
中国の景気減速は予想以上に急激で、コモディティの足を引っ張っている。
米国の政治情勢も市場の乱高下の一因となっている。ドナルド・トランプ大統領暗殺未遂事件を受けて、ジョー・バイデン大統領はカマラ・ハリス副大統領を伴走者として支持することを取りやめた。共和党候補の中国に対するスタンスや大規模支出への嗜好は、世界のチップメーカーに影響を与え、米国の30年国債にも影響を与えた。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのリチャード・クロードのように、地政学的な懸念によって誇張された可能性もあるが、景気後退は普通のことだと見る投資家もいる。今年14％上昇した金などの主要資産が今週下落に直面する中、小型株やスイス・フランや日本円のような伝統的なセーフ・ヘイブンは上昇している。
この変化は、単なるリスク回避の動き以上のものを示している。米連邦準備制度理事会（FRB）が利下げに踏み切る構えを見せていることや、株式市場の上昇の力強さに疑問が持たれていることから、キャリー・トレードが解消されつつあり、ドルにさらなる圧力をかけている。にもかかわらず、短 期国債の利回りは上昇し、約6カ月ぶりの低水準に達している。
ビットコインもその影響を受け、ここ数日で5％下落し、64,000ドル前後となっている。トレード・ネーションのシニア・マーケット・ストラテジスト、デビッド・モリソン氏は、市場の回復力を鵜呑みにしないよう注意を促し、今後の上昇は第2四半期の好調な決算と今期のポジティブな見通しにかかっていると指摘した。
投資家は過去の相場パターンを思い出しており、今回の調整を安値で再参入する好機と見る向きもあることを示唆している。
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