村上春樹さんの長編小説「騎士団長殺し」は香港で「わいせつな性描写がある」として、18歳未満への販売を禁止された。
この決定に対して、21団体の市民2100人は「香港に恥をかかせた」と非難、撤回を求める署名活動を展開している。
決定を受け、香港の書店では、「騎士団長殺し」を密封したうえで、「18歳未満への販売や貸し出しはできない」という警告シールを貼った状態で店頭に並べていた。
また、18日に開幕した香港ブックフェアでは、翌日に本が撤去された。
この決定を下した「淫猥物品審裁処」は市民が自薦で加入する団体。
現在505人のメンバーで活動している。
毎回の審査は数名のメンバーによって行われている。
「淫猥物品審裁処」は19日に新聞で暫定決定を発表、26日に正式に告示した。
一部の保守団体はメンバーに「自薦」を積極的に勧めている。
「淫猥物品審裁処」は1994年、ルネサンス期の彫刻家ミケランジェロの代表作ダビデ像を取り入れた広告を「わいせつ」と認定し、大きな波紋を呼んだ。
一方、今回の禁止処分は、村上さんは2014年の香港大規模民主化デモ「雨傘運動」を支持する立場を示したことに関係があるという見方がある。
2014年11月、ドイツのウェルと文学賞を受賞した村上さんはスピーチで、「壁のない世界」の実現に向け、努力することの大切さを訴えた。
スピーチの最後に、「このメッセージを自分たちの壁と今この瞬間も戦っている香港の若者たちに伝えたい」と述べた。
香港の21の団体は言論の自由が脅かされているとして、インターネットで署名活動を展開している。
現在2100人から賛同を得ている。
(翻訳編集・李沐恩)
【ニュース提供・大紀元】