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欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米経済指標受けた長期金利や株価を注視

発行済 2018-06-05 17:25
更新済 2018-06-05 18:02
欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米経済指標受けた長期金利や株価を注視
5日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。
今晩発表される米国の経済指標が堅調となれば長期金利や株価の上昇を手がかりにドル買い基調を維持する見通し。
ただ、世界的な貿易戦争への懸念は残り、ドル売り・円買いに振れる可能性もありそうだ。


前日の海外市場では、材料難のなかドル・円は米10年債利回り動向に連れるかたちとなり、欧州市場で109円37銭まで下げた後、NY市場で109円85銭まで値を切り上げた。
1日に発表された米国の堅調な5月雇用統計を背景とした連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース加速観測から、安全資産の米国債は売られ、長期金利の上昇がドル買いを誘発した。
本日のアジア市場で、ドル・円は109円後半で寄り付いた。
現時点では欧州政治情勢などリスク要因は後退しており、過度な警戒の円買いは弱まりつつある。
ただ、心理的節目の110円付近ではドル売り圧力が強く、上昇を抑制。
ドルの上値の重さが意識され、やや値を下げる展開となっている。


本日の海外市場では、欧米の経済指標が材料視される。
ユーロ圏の4月小売売上高は前回を上回ると予想され、ユーロ・円は景気回復期待の買いが再開すればドル・円の押し上げ要因となりそうだ。
また、米国の5月ISM非製造業総合景況指数や4月JOLT求人件数も手がかりとなる。
ISM非製造業指数は前回4月を上回ると予想され、堅調な内容なら景気拡大基調の維持が好感され、ドル買いが入りやすい見通し。
反面、米中貿易戦争や欧州政治情勢の混乱などへの警戒も根強く、ドル・円の上昇は抑えられる可能性もあろう。
足元の欧米株式先物はマイナス圏で推移しており、欧米株が反落すればリスク選好の円売りは後退しそうだ。
(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:00 ユーロ圏・5月サービス業PMI改定値(予想:53.9、速報値:53.9)
・17:30 英・5月サービス業PMI(予想:53.0、速報値:52.8)
・18:00 ユーロ圏・4月小売売上高(前月比予想:+0.5%、3月:+0.1%)
・18:30 南ア・1-3月期GDP(前年比予想:+1.9%、10-12月期:+1.5%)
・22:45 米・5月サービス業PMI改定値(予想:55.7、速報値:55.7)
・23:00 米・4月JOLT求人件数(予想:635万件、3月:655万件)
・23:00 米・5月ISM非製造業総合景況指数(予想:57.6、4月:56.8)



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