[ワシントン 15日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は15日、最近の円相場の変動について、明らかに急激かつ一方的すぎるとの見方を示した。国際通貨基金(IMF)・世界銀行年次総会に合わせてワシントンで開かれたセミナーで述べた。
日銀が円安につながる金融緩和政策を続けているのは、為替介入を通じて急激な円相場の下落を抑制しようとする政府の措置と矛盾していないか、との質問に対して、若田部氏は、日本政府は政府と日銀の政策の間に矛盾や食い違いはないとの認識を明確に示していると指摘。岸田文雄首相は低インフレからの脱却を目指す緩和策を支持していると述べた。
最近の急激な円安について聞かれると、若田部氏は、今の為替変動に関して言えば、明らかに急激であり、一方的すぎるとコメントした。
賃金の伸びは依然として弱く、インフレ期待は高まってはいるものの、2%のインフレ目標の付近にしっかりと固定されるには至っていないとして、日銀は緩和策を維持していく必要があるとの考えを示した。
その上で、日銀が今後、緩和政策の見直しを検討する条件として、インフレ率の一部のコア指標が2%前後で推移することなどを挙げた。