[6日 ロイター] - <ロンドン株式市場> 反発して取引を終えた。中国が景気刺激策を発表したことで買い安心感が広がった。
中国人民銀行(中央銀行)は市中銀行の預金準備率を引き下げた。市場に出回る資金が増え、景気を下支えするとみられる。[nL3N25X2FV]中国の発表を受け、グレンコア (L:GLEN)やBHP (L:BHPB)などの鉱業株の値上がりが目立った。
住宅建設のバークレー・グループ (L:BKGH)は2.8%上昇。ロンドンとイングランド南東部の市況について前向きな見方を示したことが好感された。
8月の米雇用統計は就業者数が予想を下回る伸びとなり、米中貿易摩擦の米経済への影響を示した。米連邦準備理事会(FRB)が今月利下げするとの見方を固める材料となった。[nL3N25X2XQ]
中型株ではセキュリティー会社G4S (L:GFS)が6.5%上昇した。米同業ブリンクス (N:BCO)がG4Sのキャッシュ事業部門を買収することを検討しているとする英スカイニュースの報道が材料視された。
<欧州株式市場> 3日続伸して取引を終えた。中国が銀行の融資を促す対策を打ち出したことでリスク志向が強まった。
中国人民銀行(中央銀行)は市中銀行の預金準備率を引き下げた。流動性が高まることで減速する経済を押し上げる効果が見込まれる。STOXX欧州600種化学株指数 (SX4P)と鉱工業関連株指数 (SXNP)の値上がりが目立った。
自動車・部品株指数 (SXAP)は、米司法省が自動車メーカー4社に対して反トラスト法関連の調査を開始したとの報道で上昇幅を圧縮したが、週間ベースでは4月以来の大幅な上昇となった。
8月の米雇用統計はまちまちの内容だった。就業者数の伸びは予想以上に減速したものの、賃金の伸びは加速した。米連邦準備理事会(FRB)が今年、あと2回利下げするとの見方は変わらなかった。
ドイツの7月の鉱工業生産指数は予想に反して低下した。ドイツの製造業が苦境に面している新たな兆しとなった。それでもなお、ドイツのクセトラDAX指数 (GDAXI)は0.54%上昇した。ドイツの鉄鋼大手ティッセンクルップ (DE:TKAG)が4.7%高と2カ月ぶりの高値に上昇し、全体水準を押し上げた。フィンランドのエレベーター大手コネ (HE:KNEBV)がプライベート・エクイティ(PE)とともにティッセンクルップのエレベーター事業に対する買収提案を検討しているとしたことが好感された。
欧州株は週間ベースで3週連続で値上がりした。今週は英国とイタリア、香港で政局不安が後退した。
<ユーロ圏債券> 国債利回りはやや低下した。ただ世界的なリスク後退のほか、欧州中央銀行(ECB)理事会を来週に控えていることで債券需要が抑制され、週間ベースでは大きく上昇した。
ドイツ連邦統計庁が発表した7月の鉱工業生産指数は、予想に反して低下し、製造業の不振でドイツ経済が第3・四半期にリセッション(景気後退)に突入する可能性が示唆された。[nL3N25X1OS]
ユーロ圏外では、米労働省発表の8月雇用統計で、非農業部門の雇用者数の伸びが13万人と市場予想の15万8000人を下回った。[nL3N25X2XQ]また、中国人民銀行(中央銀行)は今年3回目となる市中銀行の預金準備率(RRR)の引き下げを発表した。これにより、9000億元(1263億5000万ドル)が金融システムに放出される。[nL3N25X2FV]
国債利回りは過去数カ月間は低迷していたが、今週に入り上昇。今週は米中が10月に通商協議を再開することを決定したほか、イタリアで新政権が発足。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱を巡る懸念も緩和したことで、安全資産に対する需要が減退し、国債利回りの上昇につながった。
ユーロ圏では、ECB当局者の発言を受けECBが来週の理事会で積極的な緩和策を決定するとの観測が後退。大和キャピタル・マーケッツの経済調査部門責任者、クリス・シクルナ氏は「ECB理事会のタカ派とされるメンバーが事前に打ち合わせたとみられる発言を行ったことで、来週の理事会で量的緩和(QE)が確実に決定されるわけではないことが示された」と述べた。
独10年債 (DE10YT=RR)利回りは4ベーシスポイント(bp)低下のマイナス0.61%。前日は8.5bp上昇していた。週初からは8bp上昇となり、週間ベースでの上昇としては年初来最大となる見通し。
イタリア10年債 (IT10YT=RR)利回りは4週間連続で低下。新政権が発足し解散総選挙が回避されたことで今週は0.803%と、過去最低水準を付けた。
ムーディーズはこの日にイタリアの格付け見直しの結果を発表する。ただ格付け見通しを「安定的」としているため、想定外の動きは予想されていない。
<為替> 欧州終盤 アジア市場終盤 コード
ユーロ/ドル 1.1041 1.1046 (EUR=)
ドル/円 106.80 106.98
ユーロ/円 117.93 118.19 (EURJPY=)
<株式指数> 終値 前日比 % 前営業日終値 コード
STOXX欧州600種 387.14 +1.22 +0.32 385.92 (STOXX)
FTSEユーロファースト300種 1522.54 +4.22 +0.28 1518.32 (FTEU3)
ユーロSTOXX50種 3495.19 +10.49 +0.30 3484.70 (STOXX50E)
FTSE100種 7282.34 +11.17 +0.15 7271.17 (FTSE)
クセトラDAX 12191.73 +64.95 +0.54 12126.78 (GDAXI)
CAC40種 5603.99 +10.62 +0.19 5593.37 (FCHI)
<金現物> 午後 コード
値決め 1523.7
<金利・債券>
米東部時間14時21分
*先物 清算値 前日比 前営業日終盤 コード
3カ月物ユーロ 100.47 0.00 100.47 (FEIc1)
独連邦債2年物 112.55 0.00 112.55 (FGBSc1)
独連邦債5年物 136.31 +0.14 136.17 (FGBMc1)
独連邦債10年物 175.23 +0.73 174.50 (FGBLc1)
独連邦債30年物 218.00 +2.94 215.06 (FGBXc1)
*現物利回り 現在値 前日比 前営業日終盤 コード
独連邦債2年物 -0.830 +0.007 -0.855 (DE2YT=RR)
独連邦債5年物 -0.898 -0.024 -0.857 (DE5YT=RR)
独連邦債10年物 -0.637 -0.046 -0.591 (DE10YT=RR)
独連邦債30年物 -0.115 -0.071 -0.046 (DE30YT=RR) OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20190906T200806+0000