[23日 ロイター] - <為替> ドルが対ユーロで上昇した。米経済指標はまちまちの内容だったが、ユーロ圏の製造業とサービス業に関する経済指標がユーロ圏経済への懸念につながった。
IHSマークイットが発表した9月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は50.4で、前月の51.9から低下し2013年半ば以来の低水準となった。エコノミストの予想(51.9)も下回った。ドイツの指数が製造業の悪化で6年半ぶりに50を下回ったことが押し下げ要因となった。
ユーロ/ドルは0.22%安の1.0993ドル。
ドラギECB総裁は23日、ユーロ圏経済は回復のめどが立っておらず、製造業の長引く低迷は経済全般に悪影響を及ぼしかねないという認識を示した。
一方、IHSマークイットが発表した9月の米製造業PMI速報値は市場予想を上回ったが、非製造業PMIは市場予想に届かず。雇用が49.1と2010年2月以来の50割れとなった。
ドル指数 (DXY)は0.1%高の98.615。9月12日以来の高値を付けた。
ポンドは0.34%安となり、1週間ぶりの安値に接近。英最高裁はジョンソン首相が議会を閉会した決定が違法かどうかについて、11人の判事が24日0930GMT(日本時間午後6時30分)に判決を下すと発表した
<債券> 米国債利回りは欧州市場に追随して低下した。この日発表されたユーロ圏の総合PMIが予想を下回り、景気後退(リセッション)懸念が強まったことを受け、リスク選好度が後退した。
米30年債、10年債、2年債の利回りは2週間ぶり水準に低下した。
今週は国債入札も予定されているが、リスク選好の弱まりで国債が売られにくくなり、入札では低い価格で落札できそうだとアナリストは指摘する。
入札は1130億ドルの超短期債、400億ドルの2年債が24日、410億ドルの5年債などが25日、320億ドルの7年債が26日に予定されている。
9月のドイツ総合PMI速報値は49.1で、6年半ぶりに50を下回った。9月のフランスの総合PMI速報値も51.3と、前月の52.9から低下した。
これを受け、ユーロ圏金融・債券市場では独10年債利回り (DE10YT=RR)がマイナス0.59%と、ECBがマイナス金利の深掘りを含む包括的な緩和策を決定した12日の理事会以降で最低水準を更新した。
午後の取引で、米10年債利回り (US10YT=RR)は1.714%に低下。一時は2週間ぶり水準の1.677%まで下げた。前週末は1.753%だった。
30年債利回り (US30YT=RR)は前週末の2.198%から2.161%に低下。一時は2.12%を付けた。
2年債利回り (US2YT=RR)は1.712%から1.672%に低下。一時1.64%まで低下した。
キャピタル・エコノミクスのチーフエコノミスト、ニール・シェエリング氏は、長期的な低金利やイールドカーブのフラット化は銀行の収益性への重しとなり、年金ファンドや保険会社の義務履行に影響を与えると指摘した。
<株式> ほぼ横ばい。ダウ平均株価 (DJI)は14ドル高で引けた。経済指標が強弱まちまちとなる中、慎重な取引に終始した。アップル (O:AAPL)はしっかりとなった。
IHSマークイットがこの日発表した9月の製造業PMI速報値は前月から上昇し、市場予想を上回った。一方、非製造業PMIは市場予想を下回り、内訳では雇用が2010年2月以来の50割れとなった。ユーロ圏のPMI統計では、ドイツ製造業の悪化加速が明らかになった。[nL3N26E1KJ]
次官級通商協議で前週訪米した中国の代表団がモンタナ州の農家視察を急きょ中止したことを受け、協議進展への慎重な見方も出ている。[nL3N26D02H]
個別銘柄ではアップルが0.5%高。米通商代表部(USTR)は同社が関税免除を申請した15製品中10製品について免除を認めた。アップルに部品を供給するマイクロン・テクノロジー (O:MU)は約0.9%高となった。
アメリカン・エキスプレス(アメックス) (N:AXP)は1.2%高。最大1億2000万株の自社株買いと増配を承認したことを好感した。
一方、ボーイング (N:BA)は0.6%下落。ブラジルの小型機メーカー、エンブラエル (SA:EMBR3)の商用機部門の大半を買収する計画について、欧州連合(EU)の競争規制当局が最長5カ月の調査を行う方針との報道が嫌気された
<金先物> ユーロ圏の景気先行き懸念や米中貿易協議をめぐる不透明感などを背景に「質への逃避」の金需要が拡大し、続伸した。12月物の清算値は前週末比16.40ドル (1.08%)高の1オンス=1531.50ドルと、清算値ベースでは9月4日以来約2週間ぶりの高値となった。
金相場はこの日、一時1534.40ドルまで上昇。市場関係者の間では、目先の金相場に上値余地が残っているとの見方が浮上している。世界経済の減速観測、主要中銀による金融緩和政策や米中貿易協議をめぐる不透明感に加え、中東情勢緊迫化への懸念などが依然として金の支援要因になっているという。
<米原油先物> 持ち高調整目的の買い戻しなどで反発した。米国産標準油種WTIの中心限月 11月物の清算値は前週末比0.55ドル(0.95%)高の1バレル=58.64ドルだった。12月物は0.58ドル高の58.42ドルとなった。
中心限月の交代に伴いポジション調整などの買い戻しが入ったもよう。また、午後にかけて米株式相場がプラス圏に浮上する中、株式と並んでリスク資産とされる原油にも買いが入った。
ただ、外国為替市場では、対ユーロでドル高が優勢。ドル建てで取引される原油などの商品の割高感につながり、原油の重しとなった。攻撃を受けたサウジアラビアの石油関連施設の生産回復が75%程度になったとの報道も供給不安を後退させた。
ドル/円 NY終値 107.54/107.57
始値 107.45
高値 107.54
安値 107.35
ユーロ/ドル NY終値 1.0991/1.0995
始値 1.0982 (EUR=)
高値 1.1000
安値 1.0977
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*23.00 2.1715% (US30YT=RR)
前営業日終値 101*04.50 2.1980%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*03.50 1.7233% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*27.00 1.7530%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*11.00 1.6004% (US5YT=RR)
前営業日終値 98*06.00 1.6340%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*20.88 1.6833% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*19.13 1.7120%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26949.99 +14.92 +0.06 (DJI)
前営業日終値 26935.07
ナスダック総合 8112.46 -5.21 -0.06 (IXIC)
前営業日終値 8117.67
S&P総合500種 2991.78 -0.29 -0.01 (SPX)
前営業日終値 2992.07
COMEX金 12月限 1531.5 +16.4
前営業日終値 1515.1
COMEX銀 12月限 1871.1 +86.2
前営業日終値 1784.9
北海ブレント 11月限 64.77 +0.49 (LCOc1)
前営業日終値 64.28
米WTI先物 11月限 58.64 +0.55 (CLc1)
前営業日終値 58.09
CRB商品指数 178.6542 +1.3172 (TRCCRB)
前営業日終値 177.3370 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20190923T220701+0000