[24日 ロイター] - <為替> 英ポンドが対ドルで下落。ジョンソン英首相が英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を巡る混迷打開に向け、12月12日の総選挙実施を提案したことに反応した。だが、首相に議会解散権はなく、野党の同意が必要となるため、総選挙が実現するかどうかは不透明だ。[nL3N2794OR]
終盤の取引でポンド/ドルは0.47%安の1.285ドル。今週に入ってからは1.43%下落している。ポンドは対ユーロ (EURGBP=)でも0.26%下落し、86.38ペンス。
総選挙を巡る不透明性は短期的にポンドへの重しとなる見通し。
主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.16%高の97.65。
ユーロ/ドル (EUR=)は0.21%安の1.111ドル。10月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)速報値がさえない結果に終わったことが嫌気された[nL3N2792UN]。
アナリストによると、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が理事会後の記者会見で一部明るい見方を示したことを受け、ユーロは一時上昇。しかし、その後下げに転じた。
ECBはこの日の理事会で政策金利を据え置いた。また前回9月の決定通り、11月から月200億ユーロのペースで資産買い入れを再開し、「必要な限り」継続することを確認した。月末で退任するドラギ総裁にとって、今回が最後の理事会となった。[nL3N2793YP]
<債券> 国債利回りが小幅上昇。今年3回目の利下げが見込まれる来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、相場では値固めが続いた。
今週は経済や政治、また世界的な不透明感の高まりで国債が買われ、利回りが低下。英国のEU離脱、トランプ米大統領に対する弾劾調査、米経済鈍化を示すさらなる指標などが利回り低下につながっている。
アナリストは、唯一の明るい材料である米中通商合意の「第1段階」もまだ書面化されていないと懸念する。
終盤の取引で利回りは米10年債 (US10YT=RR)が1.771%。前日は1.759%だった。30年債 (US30YT=RR)は2.267%と、2.251%から上昇。2年債 (US2YT=RR)も前日の1.582%から1.587%に上げた。
この日実施された320億ドル規模の7年債入札は、最高落札利回りが1.657%だった。応札倍率は2.46倍で、前月をやや下回ったが、平均の2.44倍をやや上回った。
<株式> S&P総合500種とナスダック総合が上昇して取引を終えた。マイクロソフト (O:MSFT)など複数のハイテク企業が発表した堅調な四半期決算が支援した。一方、スリーエム(3M) (N:MMM)の決算はさえず、ダウ工業株30種の重しとなった。
マイクロソフトは2%高。クラウドサービス「アジュール」を含むクラウド部門の10─12月期売上高見通しが市場予想を上回り、買い材料となった。[nL3N2785F8]
ペイパル (O:PYPL)も8.6%高。堅調な通年利益見通しが好感された。[nL3N27851N]
一方、3Mは4%安。第3・四半期決算は、アジア太平洋地区での減収が響き、売上高が市場予想を下回った。通年利益見通しも下方修正し、米中貿易摩擦が企業業績に及んでいる状況が浮き彫りとなった。[nL3N2794A4]
ツイッターは20.8%急落。第3・四半期決算は売上高と利益が市場予想に届かなかった。夏場の広告需要が予想外に伸びなかった。[nL3N2794KB]
フォード・モーター (N:F)も6.6%安。四半期決算は世界各地での事業再編の費用がかさみ、大幅減益となった。[nL3N2784ZQ]
半面、第3・四半期に予想外の黒字を達成したテスラ (O:TSLA)は17.7%急伸。[nL3N278605]
素材科学のダウ (N:DOW)も4.7%高。コスト削減が奏功し、四半期利益が予想を上回った。[nL3N2794CC]
引け後の時間外取引でもインテル (O:INTC)は約8%高、アマゾン・ドット・コム (O:AMZN)は約9%安となり、決算内容が明暗を分けた。[nL3N279552]
<金先物> 米株安などを背景に安全資産への資金流入が活発となり、続伸した。中心限月12月物の清算値は前日比9.00ドル(0.60%)高の1オンス=1504.70ドル。
ECBはこの日、定例理事会を開催。ドラギ総裁にとって最後の会合となったが、金利の据え置きと11月からの量的緩和再開を確認するにとどまり、想定内の結果に対する相場の反応は限定的だった。
しかし、一部の米企業決算の不振が投資家心理を圧迫し、米国株が下落すると、安全とされる資産への資金流入が加速。金塊相場は午前の段階で1500ドルの心理的な節目を抜き、一時1505.90ドルの高値を付けた。朝方発表された9月の米耐久財受注が市場予想を下回ったことも金塊買いを支援した。
<米原油先物> 世界的な需給均衡への期待が広がる中、続伸した。米国産標準油種WTIの12月物の清算値は前日比0.26ドル(0.46%)高の1バレル=56.23ドルと、中心限月ベースで9月26日以来約1カ月ぶりの高値を付けた。1月物は0.28ドル高の56. 27ドル。
米エネルギー情報局(EIA)が23日午前に発表した在庫週報では、18日までの1週間の米原油在庫が市場予想に反して取り崩しとなり、ガソリン在庫も予想を上回る取り崩し幅だった。さらにロイターは、関係筋の話として石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟国で構成するOPECプラスが12月の会合で原油の減産幅を拡大するかどうか検討する方針だと報道。供給過剰への懸念が和らいだ。
ただ、このところ発表された欧米の経済指標は弱い内容が相次いでおり、貿易摩擦を背景とした世界的なエネルギー需要の先行きに対する警戒感が根強く、相場の上値を抑える要因となった。また、外国為替市場ではドルが対ユーロで強含み、ドル建てで取引される原油に割高感が生じたことも圧迫材料だった。
ドル/円 NY終値 108.61/108.62
始値 108.62
高値 108.66
安値 108.51
ユーロ/ドル NY終値 1.1104/1.1105
始値 1.1128 (EUR=)
高値 1.1153
安値 1.1094
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.50 2.2637% (US30YT=RR)
前営業日終値 99*31.50 2.2510%
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*22.00 1.7713% (US10YT=RR)
前営業日終値 98*25.50 1.7590%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*18.50 1.5881% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*19.63 1.5810%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.88 1.5817% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*26.88 1.5820%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 26805.53 -28.42 -0.11 (DJI)
前営業日終値 26833.95
ナスダック総合 8185.80 +66.00 +0.81 (IXIC)
前営業日終値 8119.79
S&P総合500種 3010.29 +5.77 +0.19 (SPX)
前営業日終値 3004.52
COMEX金 12月限 1504.7 +9.0
前営業日終値 1495.7
COMEX銀 12月限 1780.4 +22.4
前営業日終値 1758.0
北海ブレント 12月限 61.67 +0.50 (LCOc1)
前営業日終値 61.17
米WTI先物 12月限 56.23 +0.26 (CLc1)
前営業日終値 55.97
CRB商品指数 177.7097 +0.4138 (TRCCRB)
前営業日終値 177.2959
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