[26日 ロイター] - <為替> 感謝祭の祝日を控え商いが細る中、米中通商協議の行方を見極めようとする気分が高まり、主要6通貨に対するドル指数がやや軟化した。
米中通商協議を巡っては、トランプ米大統領が米中は第1段階の合意に近づいていると表明。中国商務省は、中国の劉鶴副首相、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官が26日に第1段階合意に関する課題を電話で協議したことを明らかにした。[nL4N2860SM]
これに先立ち、中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報は25日、米中通商交渉について第1段階の合意が非常に近いと報じていた。[nL4N2852H1]
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.08%安の98.246。
ドルは円に対し0.12%上昇。アジア取引時間にはドルは対円で2週間ぶりの高水準を付けていた。
英ポンドは0.26%安の1.2864ドル。12月12日の総選挙でジョンソン首相率いる与党・保守党が勝利すれば、これまで約3年間にわたり続いてきた欧州連合(EU)離脱を巡る先行き不透明性が解消するとの観測がポンド相場の支援要因となってきたが、このところの世論調査では保守党のリード縮小が示されている。
<債券> 英国債利回りの低下に歩調を合わせるように米国債利回りも低下。また、米連邦準備理事会(FRB)が金利を当面据え置くとの観測が高まっていることが短期債の支援要因となり、長短利回り格差は約1カ月ぶりの低水準近辺にとどまった。
来月12日に総選挙を控える英国で、EUからの確実な離脱を掲げるジョンソン首相率いる与党・保守党が勝利するとの予想が各種世論調査で示されている。
米債券市場では、FRBが今年に入り3回の利下げを実施した後、中期的に金利を据え置くとの見方が高まっていることが短期債の支援要因となった。
FRBのパウエル議長は前日、ロードアイランド州で行った講演で、金融政策は力強い労働市場を支援するのに適した状態にあるとの見解を表明。FRB当局者は米経済に関して明るい見通しを持っており、これは堅調な労働市場と所得の増加、力強い個人消費に支えられていると語った。[nL4N28603P]
終盤の取引で10年債 (US10YT=RR)利回りは1.741%と、前日終盤の1.764%から低下。
2年債と10年債の利回り格差は15ベーシスポイント(bp)。前日は13bpと、10月30日以来の水準に縮小していた。
この日は月末、年末特有のポートフォリオ調整に関連した需要も見られ、国債の支援要因になった。
米中通商協議を巡っては、中国商務省が中国の劉鶴副首相、ライトハイザーUSTR代表、ムニューシン米財務長官が26日、米中通商協議の「第1段階」合意に関する課題を電話で協議したと発表。[nL4N2860SM]これを受け、オーバーナイトの取引で協議進展への期待から米国債が売られ、利回りは上昇していた。
財務省はこの日、410億ドルの5年債入札を実施。堅調な需要を集めた。前日の400億ドルの2年債入札も堅調。27日には320億ドルの7年債入札が実施される。
<株式> 小幅続伸し、主要3指数がともに最高値を更新。一部の経済指標が予想より軟調だったものの、米中通商協議を巡るトランプ大統領の前向きなコメントが相場を支援した。
トランプ大統領は26日、米中通商協議について、「第1段階」の合意が近いとの見方を示した。米政府として香港の抗議デモを支持する立場も強調した。[nL4N2863Y2]
年末商戦期の消費動向が注目される中、コンファレンス・ボード(CB)がこの日発表した11月の消費者信頼感指数は4カ月連続で低下した。ただ、安定した消費の下支えに必要な水準は維持した。[nL4N2863RP]また、米商務省が発表した10月の新築一戸建て住宅販売戸数(季節調整済)は、年率換算で前月比0.7%減となった。ただ、9月分は上方改定され、約12年ぶりの高水準となった。[nL4N28641E]
ウォルト・ディズニー (N:DIS)は1.3%高。動画配信サービスの新規契約者が1日平均100万人近くに達していると報じられた。
ベストバイ (N:BBY)は9.86%急伸。年末商戦にかかる10─12月期の利益見通しが市場予想を上回った。
一方、ダラー・ツリー (O:DLTR)は15.24%急落。10─12月期の利益見通しが市場予想を下回り、貿易摩擦が影響している可能性を示唆した。
このほか、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE) (N:HPE)は8.48%安。第4・四半期(10月31日終了)の売上高がアナリスト予想に届かなかった。[nL4N2854WM]
<金先物> 米中貿易協議の行方に不透明感がくすぶる中、安値拾いの買いなどに支えられ、反発した。12月物の清算値は前日比3.40ドル(0.23%)高の1オンス=1460.30ドル。
中国商務省はこの日、米中が閣僚級電話会談を行い、貿易協議の「第1段階の合意」を巡り重要問題の解決で共通認識に達したと発表。今後は残る課題について意思疎通を続けると説明した。コンウェイ米大統領顧問も、対中合意が「非常に近い」と発言した。協議に一定の前進があった可能性もあるが、不透明感もくすぶり、安全資産としての金が買われた。
前日に2週間ぶりの安値を付けた反動から安値拾いの買いも入りやすかった。外国為替市場では対ユーロでドルが弱含み。ドル建てで取引される金塊などの商品の割安感につながり、金塊が買われた面もあった。
<米原油先物> 米中貿易協議の進展への期待が広がる中、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値は前日比0.40ドル(0.69%)高の1バレル=58.41ドル。2月物は0.41ドル高の58.32ドルとなった。
中国商務省は26日、米中両国が閣僚級電話会談を行い、貿易協議の「第1段階の合意」を巡り重要問題の解決で共通認識に達したと発表した。具体的な内容には触れなかったが、協議に一定の前進がみられたとの楽観的なムードが広がり、投資家の買いを誘った。また、ロイター調査によると、11月22日までの1週間に米国内原油在庫は40万バレル減少したもよう。予想通りとなれば、小幅ながら5週ぶりの在庫取り崩しとなる。
ドル/円 NY終値 109.03/109.06
始値 108.93
高値 109.14
安値 108.93
ユーロ/ドル NY終値 1.1018/1.1022
始値 1.1015 (EUR=)
高値 1.1025
安値 1.1008
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 104*10.50 2.1776% (US30YT=RR)
前営業日終値 103*21.50 2.2070%
10年債(指標銘柄) 17時05分 100*02.50 1.7414% (US10YT=RR)
前営業日終値 99*28.00 1.7640%
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*17.50 1.5959% (US5YT=RR)
前営業日終値 99*14.50 1.6160%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.38 1.5899% (US2YT=RR)
前営業日終値 99*25.50 1.6050%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28121.68 +55.21 +0.20 (DJI)
前営業日終値 28066.47
ナスダック総合 8647.93 +15.45 +0.18 (IXIC)
前営業日終値 8632.49
S&P総合500種 3140.52 +6.88 +0.22 (SPX)
前営業日終値 3133.64
COMEX金 12月限 1460.3 +3.4
前営業日終値 1456.9
COMEX銀 12月限 1704.5 +15.9
前営業日終値 1688.6
北海ブレント 1月限 64.27 +0.62 (LCOc1)
前営業日終値 63.65
米WTI先物 1月限 58.41 +0.40 (CLc1)
前営業日終値 58.01
CRB商品指数 181.0997 +0.5303 (TRCCRB)
前営業日終値 180.5694 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20191126T222145+0000