[6日 ロイター] - <為替> 米・イランの緊張が継続する中、円が対ドルで一時107.75円近辺と3カ月ぶりの高値を付けた。ただその後は買いが続かず108円台前半に押し戻された。一方、スイスフランは堅調地合いを維持した。
ホワイトハウスは6日、新たな核合意を巡りイランと再交渉を行うことは依然可能とトランプ大統領は確信していると表明。また関係筋によると、欧州連合(EU)は10日にもイラン問題を巡り緊急の外相会合を開く見通しだ。こうした中、米軍がイラクから撤退する方針が明らかになった。[nL4N29B36C][nL4N29B39A][nL4N29B3EH]
テンパス(ワシントン)のトレーディング部バイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は「円相場はイラン問題が起きる前から値上がり傾向にあり、107円台は行き過ぎかもしれない。大イベントに伴う反射的なリスクオフの動きは長続きしないことがよくあり、この日のドル/円の動きも株価の戻りに連れる展開だった」と話した。
円は対ドル で足元0.2%安の108.44円。スイスフランは対ドルで0.3%高の0.9690フラン。主要6通貨に対するドル指数 (DXY)は0.2%安の96.674。
ポンド/ドル は0.6%高の1.3158ドル。英議会は今週、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)関連法案の審議を再開する。
<債券> 債券利回りが上昇した。米・イラン間の緊張が高まる中、石油価格が高値圏で推移し、債券売りにつながった。
指標10年債利回り (US10YT=RR)は安全資産を求める動きを背景に2日終盤から6日序盤まで約6%低下。ただこの日の午後の取引では米債利回りは全体的に上昇し、10年債利回りは1.8ベーシスポイント(bp)上昇の1.809%となった。
ジェフリーズの金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏は「中東での緊張の高まりに対する市場の典型的な反応は原油高だ」と指摘。原油価格の上昇は伝統的にインフレ率の上昇につながり、「インレ率の上昇は金利高を招くため債券は売られる」と述べた。
2年債利回り (US2YT=RR)は1.8bp上昇の1.543%。
<株式> 上昇して取引を終えた。中東情勢の緊迫化にもかかわらず底堅い展開になった。アルファベット (O:GOOGL)など情報技術(IT)株が買われた。
米軍が3日、空爆によりイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことを受け、中東情勢悪化への懸念から原油価格が上昇。これに追随してS&P総合500種 (SPX)のエネルギー株指数 (SPNY)も上昇した。
米株市場は取引序盤には神経質な展開が続いたものの、終盤にかけて持ち直した。
主要株価指数は年明け初日の2日の取引でそろって最高値を更新したが、3日は中東情勢の緊迫化で反落していた。
この日は大型IT株がS&Pの上げを主導。アルファベットは2.7%上昇。ピボタル・リサーチが投資判断を「バイ」に引き上げたことが好感された。
一方、2019年に良好なパフォーマンスを記録した半導体株が大きく値下がりし、フィラデルフィア半導体株指数 (SOX)は1.0%安となった。同指数は昨年約60%上昇していた。
<金先物> 中東情勢の緊迫化を背景とした買いが継続し、9営業日続伸となった。2月物の清算値は前週末比16.40ドル(1.1%)高の1オンス=1568.80ドルと、中心限月としては2013年4月初旬以来約7年ぶりの高値となった。
<米原油先物> 中東情勢の緊迫化に伴う供給逼迫への懸念を背景に追随買いが入り、 小幅続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値は、前週末比0.22ドル(0.35%)高の1バレル=63.27ドル。3月物は0.22ドル高の63.04ドルだった。
ドル/円 NY終値 108.36/108.39
始値 108.06
高値 108.50
安値 108.04
ユーロ/ドル NY終値 1.1193/1.1197
始値 1.1202 (EUR=)
高値 1.1205
安値 1.1182
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 101*30.00 2.2850% (US30YT=RR)
前営業日終値 102*22.00 2.2510%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*15.00 1.8090% (US10YT=RR)
前営業日終値 99*21.00 1.7880%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*21.75 1.6074% (US5YT=RR)
前営業日終値 100*24.75 1.5880%
2年債(指標銘柄) 16時58分 100*04.88 1.5466% (US2YT=RR)
前営業日終値 100*06.25 1.5250%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28703.38 +68.50 +0.24 (DJI)
前営業日終値 28634.88
ナスダック総合 9071.47 +50.70 +0.56 (IXIC)
前営業日終値 9020.77
S&P総合500種 3246.28 +11.43 +0.35 (SPX)
前営業日終値 3234.85
COMEX金 2月限 1568.8 +16.4
前営業日終値 1552.4
COMEX銀 3月限 1817.9 +2.8
前営業日終値 1815.1
北海ブレント 3月限 68.91 +0.31 (LCOc1)
前営業日終値 68.60
米WTI先物 2月限 63.27 +0.22 (CLc1)
前営業日終値 63.05
CRB商品指数 187.3883 +0.4916 (TRCCRB)
前営業日終値 186.8967
*内容を追加しました。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20200106T230454+0000