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アングル:金融市場、相場乱高下で取引高急増 取引業者は歓迎

発行済 2020-03-11 11:08
更新済 2020-03-11 11:13
アングル:金融市場、相場乱高下で取引高急増 取引業者は歓迎

[ロンドン 10日 ロイター] - 金融市場は今週に入って激しい売りに見舞われた。しかし投資家が相場の乱高下から保有資産を守ろうと市場に殺到したため、幅広い金融商品で取引高が急増。長期の凪(なぎ)相場にあえいでいた銀行や取引プラットフォームなど取引業者にとって光明となった。

リフィニティブのデータによると欧州株の取引高は、株価が1日としては2008年の世界金融危機以来の下げを記録し、原油価格が25%急落した9日、90日移動平均の3倍余りに増えた。3月は月初から10営業日の取引高が既に2月全体の半分以上に達した。

取引業者は取引高の増加を歓迎している。ロンドンに拠点を置く仲介業者TP・ICAP (L:TCAPI)のニコラス・ブルトー最高経営責任者(CEO)は10日、ロイターのインタビューで、同社の取引高が過去2週間で過去最高を更新したと明らかにした。

ブルトー氏は「顧客のヘッジ取引やポートフォリオ調整で市場の動きが活発化し、取引高が過去最高になった」と述べた。市場環境が顧客に影響を及ぼす一方、ボラティリティー上昇は同社が「将来に対する自信を得る機会になった」という。

銀行など取引業者のトレーディングデスクは、3月以前は低いボラティリティー、低迷する取引高、収益の悪化に長いこと悩まされていた。

マーケットメーカーは通常、市場のボラティリティーーが高まって売買が頻繁になると収入が増える。

足元では幅広い資産クラスで取引高が回復している。

CMEから入手したデータによると、通貨先物の9日の取引高は年初来の1日当たり平均の2倍以上となった。

外為取引プラットフォームを運営するEBSは9日の取引データの提供を拒否したが、5日まで4営業日の取引高が2019年平均を80%上回ったと明らかにした。主要10カ国(G10)通貨の取引高は昨年の1日当たり平均の2倍近くに増えているという。

同業のリフィニティブによると、9日はスポットの通貨取引が2016年11月の米大統領選後で最大となった。9日の取引高を示すことは拒否したが、外為マッチング取引システムの取引は2月の1日平均の2倍以上だったとした。

金融市場のボラティリティーは先の世界金融危機以来の水準に高まっている。

「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数 (VIX)は2008年以来の水準に上昇。米国債相場のボラティリティー (MOVE)は09年以降で最大となり、外為市場の相場変動は3年ぶりの高水準となっている。

<債券も取引高急増>

顧客が高リスクの債券を手放し、米国債など安全資産を買ったため、債券市場も取引が活発になった。

ただ、債券は先週の取引高増加が目を見張るほどではなく、9日には取引が鈍っており、投資家の多くが様子見姿勢を取ったことがうかがえる。

債券取引プラットフォームを運営するマーケットアクセスによると、欧州の顧客による9日の国債と社債の取引高は総額1368億ユーロ(1555億ドル)。前週の1日当たり平均は1900億ドルだった。

同業のトレードウェブは、1日当たりのデータはまとめていないとして、具体的な数字の提供を拒否した。

ボラティリティーの上昇によって流動性が損なわれていることを示す証拠もある。トレーダーによると、9日以前には取引は激しいとはいえ、概ね秩序立っていた。

トゥエンティーフォー・アセット・マネジメントは顧客向けノートで9日の市場について「朝方に指標となる30年物米国債のポジションを圧縮しようとしたが、複数のディーラーがきちんとした価格の提示をためらったので驚いた。こうしたことはかつてなかった。その後すぐにやり取りは通常の状態に戻ったが、この出来事は市場に充満している混乱の激しさを如実に表している」と指摘した。

(Tommy Wilkes記者)

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