[14日 ロイター] - 中国の国債利回りが今週に入り半年ぶりの水準に高止まっている。金融状況の逼迫が背景にあるためで、市場では中国人民銀行(中央銀行)の政策姿勢に変化が見られるとの声も聞かれる。
指標10年債利回り (CN10YT=RR)はこの日3.01%で推移。4月下旬以降、50ベーシスポイント(bp)超上昇した。人民銀は過去2週間で通常の公開市場オペを通じて7800億元を吸収。今週はこれまでに800億元を供給している。
6月の貿易統計は、輸入が今年、新型コロナウイルス危機に見舞われて以降初めて増加に転じた。政府の景気支援策を受けてコモディティー(商品)の需要が急増したことが背景。輸出も海外のロックダウン緩和を背景に予想外のプラスとなり、中国経済の回復が勢いを増していることが示された。
コンサルタント会社ゲイブカルの中国担当エコノミスト、Wei He氏は、経済環境の好転に伴い人民銀が「景気支援から金融リスクに重点をシフトしている」と指摘した。