[東京 16日 ロイター] - 国土交通省は16日、航空会社が負担している空港使用料の一部を今年8月分から来年2月分まで減額すると発表した。対象は国が管理する空港における国内線旅客便で、滑走路などを利用するための着陸料と空港での停留料をそれぞれ45%減額する。新型コロナウイルス感染拡大の影響で旅客需要が急減し、経営に打撃を受けている航空各社への支援の一環で、減額幅は過去最大となる。
赤羽一嘉国土交通相は同日の閣議後会見で、「コロナの長期化で例を見ない規模での大幅な旅客需要減少が続いている」と指摘。その上で「経済活動や国民生活を支える航空ネットワークの維持を図るために引き下げを行う」と説明した。
国交省は、着陸料や停留料などを含む空港使用料の徴収を2月から7月分までは猶予してきたが、猶予分の支払いについては10月以降、順次求めていくという。
現在、航空各社はコロナの影響で大幅な減便を余儀なくされている。業界関係者によれば、各社の現状の運航状況を考慮した試算で、来年2月までの45%減額による業界全体の費用削減効果は着陸料で約50億円、停留料で5億円程度になるという。例年通りの運航状況に戻れば、着陸料だけでも最大125億円程度となる。
航空19社からなる業界団体の定期航空協会(会長:赤坂祐二・日本航空 (T:9201)社長)は、航空業界として「今回頂いたご支援をもとに、さらなる自助努力も含め、事業継続に向けて最大限の努力をしていく。来年度についても引き続き、さらなるご支援を要望していきたい」とコメントした。同協会はこれまでに空港使用料や航空機燃料税の減免を要請していた。
*内容を追加しました。
(新田裕貴、白木真紀 編集:山川薫)