[ロンドン 26日 ロイター] - 英イングランド銀行(中央銀行)金融政策委員会のソーンダース委員は26日、新型コロナウイルスの危機で昨年に低迷した英経済に内在するスラック(需給の緩み)が当初予想よりも大きい可能性があると述べた。物価上昇圧力が想定より小さいとの見方を示した。
ソーンダース氏は英経済が中銀の2月上旬時点の予想より早く昨年の10%減から持ち直す可能性があるとの見方を示した。英中銀は先月、新型コロナのワクチン接種が急速に進む中で英経済が2021年に5%回復するとの試算を公表していた。
ソーンダース氏は、経済が回復しても物価が自動的に急上昇するとは限らないと指摘。経済に内在するスラックが2月時点の予想より「はるかに大きい」可能性があるためだと説明した。「以前よりいくぶん楽観的な潜在成長率見通しを踏まえると国内総生産(GDP)ギャップを埋めるには、2月の金融政策報告での見通しよりも長くかかる」と話した。
GDPギャップがどれほど縮まっているかを判断する上で失業率が良い先行き指標となると述べた。「私の見解では、失業率が5%を大幅に超えていれば、ほぼ確実に、GDPギャップが持続可能な形で縮まるまでに時間がかかる」と指摘した。2月の金融政策報告では22年第1・四半期の失業率見通しが5.7%だった。 OLJPBUS Reuters Japan Online Report Business News 20210326T154052+0000